「つくって食べる」は一石十鳥の脳訓練法

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「つくって食べる」は一石十鳥の脳訓練法
 
家事は、じつはとても頭を使う作業です。
いまは電化製品の普及で手作業が少なくなったとはいえ、掃除にしても、洗濯にしても、料理にしても健康脳をつくるための機会がたくさんあります。
たとえば掃除なら、片づける・整理する作業は頭を大変使いますし、いつもは掃除機で済ませてしまう場所を、あえてホウキやゾウキンできれいにしてみるといった工夫をすると脳への刺激が増えます。
洗濯も、効率よく干す順番を考えたり、速くきれいにたたむ方法を考えたりすれば、それだけで頭を使います。
掃除や洗濯物を干すときに歌を歌いながら楽しく作業すると、りっぱな「マルチタスク」にもなりますね。
※複数の動作を同時に行うこと、つまり「マルチタスク(マルチ=多数、タスク=仕事)」は、脳の異なる領域を同時に使います。
 
家事の中で、とりわけ脳への効果が期待できるのが料理です。
食事をつくる作業には、数え切れないほどの脳の活性法がちりばめられているからです。
大阪ガスと研究所の所長である川島隆太教授が共同で行った研究調査でも、料理は脳を使っていることが実証されています。
「近赤外線計測装置(光トポグラフィ)」という脳の血流を測定する機器を使い、調理中の脳の活動のようすを計測したところ、よく使われているのが前頭前野でした。
また59~81歳の男性を対象に料理教室に参加してもらい、自宅でも料理をつくり続けてもらったところ、3ヵ月後には思考力や総合的作業力が上がって脳の機能が向上していたそうです。
料理をつくるだけで脳が鍛えられていくのですから、これを活用しない手はありません。
ところで、なぜ料理は脳にいいのでしょうか。
大きな理由としては、メニューを考えるところから盛りつけるところまで、常にプランニングが必要になってくるという点にあります。
たとえば料理の最初は「何を食べよう」「何をつくろう」から入ります。
つくるものが決まったら、手元に何があるかを考えて、ある材料だけでつくるか、買い物に行くかを決めます。
材料がそろったら、料理をつくる順番や「お湯を沸かしている間にこれを切る」など、手順や段取りを考えます。
このように、はじめから終わりまで、考えて決めることの連続です。
それだけでも認知機能を使うのです。
さらに、包丁で切る、さい箸を使う、鍋をゆすったり振ったりするなど、手先を使う場面がたくさんあることも料理のよい点です。
また、できあがったものを誰かと一緒に話をしながら食べることは楽しいですし、つくったものを「おいしい!」と喜んでもらえれば脳は幸せになります。
 
それだけではありません。
料理のジャンルは食・洋食・中華・エスニックと幅広いですから、新しい味や新しいレシピに挑戦したり、自分なりにレシピを工夫したりすることもできます。
しだいに料理に凝るようになれば、「プロの料理も食べて勉強してみよう」とモチベーションが出てきて、いろいろなお店を食べ歩いては味を再現するなんてことにも挑戦したくなるでしょう。
ちょっとしたレストランに行くとなると身だしなみを整えますし、お店の人と会話するなどコミュニケーション活動も入ってきます。
そういう意味で、料理は家事のひとつでもありますが、実益を兼ねる最高の趣味にもできるのです。
こう考えていくと、料理は究極の「マルチタスク」といってよいのです。
脳にとっては一石二鳥どころか、一石十鳥ぐらいの効果があるでしょう。
イスに座ってクロスワードパズルをするよりも、はるかに脳の訓練になります。
忙しかったり、年齢がいったり、子どもが独立したりすると料理をつくることがおっくうになりがちです。
総菜を買ってきて並べておしまいにしたり、出前や外食ですませてしまったりすることも多いかもしれません。
けれども、脳への効果を考えたら、そこは少し考え直して「つくる」ことも大切にしていきましょう。
そして、できれば手馴れたメニューではなく、新しいレシピに挑戦してみることも意識してみてください。
料理が趣味になったら、脳にとっては最高です。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
 
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脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
 
物忘れに関して脳の機能を活性化する重要な栄養素がビタミンB12です。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞2度と再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
ビタミンB12は、シナプス形成に重要な栄養成分です。
 
ビタミンB12について?
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