身だしなみに気をつける人は、脳の中も若い

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身だしなみに気をつける人は、脳の中も若い
 
 これまでに約16万人の脳画像を見てきています。
16万人の方の脳の中を見てきたというのは、ちょっと他にはない経験だと思います。
それだけの数の脳画像を見てきたことで、ある能力が身についたようです。
「透視能力」です。
……というのは冗談ですが、人と会ったときに、その方の脳の状態が見えてしまうのは本当です。
MRI画像では脳の隅々まで見ることができます。
しかも膨大な数の画像を見ていますから、「50歳ぐらいの脳だとこんな状態」、「70歳ぐらいだとこのような状態が普通」など、おおよその年代ごとの基準が頭の中にデータベースのようにできあがっています。
そこに加えて、撮影のためにMRI室に入ってこられたさまざまな方と、短いながらもやり取りをしたりするので、そのときのようすなども情報として頭の中のデータベースにインプットされてきたのでしょう。
会ったときに「この方の脳の中はこんな感じだろう」というのがわかってしまうのです。
 
では、どこでそれがわかってしまうのか。
ひと言で答えるなら見た目です。
具体的には、身なりです。
これは高級そうな服を着ているかどうかということではありません。
身だしなみに気を遣っているかどうかということです。
その方の外見の身なりを見ると脳の萎縮具合がなんとなくわかるのです。
 
自分をきれいに見せたい、かっこよく見せたいというのは人間の本能のひとつではないでしょうか。
自分をよく見せようと思うと身だしなみもきちんと整えますし、身だしなみがしっかりされている方は表情も話し方もしっかりしている場合が多く、そういう方の脳はおしなべて健康なのです。
たとえば70歳であっても、脳の萎縮が見られず、白質の部分もシミなどがなくてきれいな状態である方が少なくありません。
一方で、同じ70歳でも、何もかまわないような身なりだったり、どこかヨレッとした印象だったりする方は脳の萎縮、とくに前頭葉の萎縮が進んでいる場合が多くみられます。
同じ年齢でも、残念ながら差は歴然なのです。
もちろん、脳がしっかりしているから身だしなみにも気を遣うことができるのか、身なりや言葉遣いに頭を使っているから脳もしっかりしているのか、卵が先か鶏が先かという話はあるでしょう。
でもそれは別として、少なくとも自分を美しく見せる行動は、何歳になっても脳のためには大事なことだと思います。
通常、誰も、ぼさぼさ頭のジャージ姿で外に出ようとは思わないでしょう。
もし、それが気にならなくなっていたとしたら、脳的にはかなり問題が出てきています。
 
どこかに出かけるとなると、女性ならお化粧もして、着ていく服を考えて、おしゃれに気を遣います。
そうやってきれいに身支度が整うと、気持ちもウキウキするものです。
そのプロセスやウキウキしたポジティブな気持ちになるということ自体が、もうすでに脳を活性化してくれるのです。
認知症のおばあちゃんに口紅を塗って薄化粧をしてあげると認知機能が回復するといった例も聞くように、きれいになることは喜びで、その感情は脳を刺激してくれます。
また、身なりを整えれば、外に行こうという気持ちにもなり、社会とのコミュニケーションが増えていきます。
それが心の張りになって、どんどん外の社会に出ていくモチベーションにもなってくれます。
女性はその点、いくつになってもおしゃれ心を失いませんが、男性もぜひがんばって身なりや身だしなみに気を遣ってみてください。
脳を鍛えるためにクロスワードパズルをしたり、クイズを解いたりするのもよいですが、それよりもきれいに身づくろいをして外を散歩するほうが、はるかに脳への刺激は大きいのです。
男女問わず、年を取ってもおしゃれな方は認知症に負けない脳の持ち主です。
「らくらく認知症予防法 生涯健康脳になるコツを教えます! より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。
 
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
ビタミンB12について?
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