生きるか死ぬか以外は大したことではない

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生きるか死ぬか以外は大したことではない
 
深刻な問題ほど冷静になって、
自分で対処できるのか、誰かの助けが必要なのか、
やり過ごせばいいのかを見極めましょう。
それが、問題を“取り扱い可能”にすることです。
 
永平寺3年の修行期間を終えた後、そのまま寺に残り、修行僧の指導や割り振られた職務を行う「役寮」という立場になりました。
その役寮時代の話です。
 
部屋で本を読んでいると、遠くからただならぬ声が聞こえてきました。
若い修行僧の声です。
声は次第に近づき、「大変です!」と修行僧が息せき切って部屋に駆け込んできました。
本を置き、「生きるか死ぬか以外は、大変なことなどない!」と一喝しました。
「そうだすよね……」と我に返った相手に用件を聞くと、ある老師が私に用があるので、早く来て欲しいと言っているとのことでした。
しかし老師に電話してみると、急を要する用事ではありません。
「できれば早めに連絡して欲しい」といったニュアンスの伝言だったようです。
「ほら、見ろ」と言うと、彼は恐縮していましたが、老師は、私の職務とはふだん関係のない部署で、しかも役職の高い僧でした。
当時何かと厳しかった私に早く伝えなければと、彼が焦ったのも無理はありません。
 
こういうとき、人の視野は非常に狭くなっています。
たとえば、10センチ四方の紙の上に直径10センチの球を載せたとすると、それはあふれんばかりに大きく見えるでしょう。
焦っているときは、その状態です。
しかし、同じボールを1メートル四方の紙の上に置けば、その存在感はまったく変わります。
「ああ、小さい球だな」と思うはずです。
人生に問題が起きたときも同じです。
問題を球にたとえるなら、仮に視界が10センチ四方しかないときに、10センチの球を目の前に置かれたら、視界全体がふさがれてしまいます。
でも、広々とした視界を持っていれば、そこにどんな大きさの球があろうと驚くに値しません。
生きるか死ぬか以外は大したことではない。
これは、極端な言い方です。
しかし、そこまで枠を広げてしまえば、今まで大きく見えていた問題が一気に小さくなります。
すると、スッと冷静になれるのです。
冷静になってから、その問題が本当はどの程度の大きさなのか。
自分の手に余るのか、それとも対処できるのか。
誰かの助けが必要なのか、やり過ごせばいいのか。
それが見えてきます。
“問題を取り扱い可能にする”とは、そういうことです。
深刻な問題に悩むことは、誰にでもあるでしょう。
仕事で追い詰められてウツになったり人間関係で苦しんだり、相談に来られる方の話を聞いていても、つらい状況であるのはわかります。
でも極論すれば、人生において、生きるか死ぬかという問題以外に大事なことはありません。
それ以外のことで、しかも自分で決められることなど、じつはささいなことです。
その視点を養えるかどうか。
それが、ときにその人を救うこともあるのです。
「禅僧が教える心がラクになる生き方 より」
 
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新しい生活パターンへの対応、とくに人間関係の変化は想像以上に心身への影響が大きい。
気分が落ち込んだり一時的にうつ状態になってしまうこともあります。
とはいえ、そのうちに治ってしまうことが多いので、うつ状態でも必ずしも病気とは言えません。
しかし、落ち込みの程度が重い時や、落ち込みが長引いてしまうと、人の意欲は奪われて行動にも影響を及ぼします。
 
私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB12について?
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