脳内神経伝達物質の原材料が足りなくなる「たんぱく質不足」

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脳内神経伝達物質の原材料が足りなくなる「たんぱく質不足」 
 
脳内神経伝達物質をつくるおおもととなるのは、たんぱく質です。
食事でとったたんぱく質が、消化管を通り、消化酵素で分解され、アミノ酸になって脳に送られていきます。
脳内神経伝達物質の原材料もたんぱく質なら、それを分解する酵素たんぱく質なのです。
 
うつの原因である「脳の栄養不足」の原因は、何といってもたんぱく質の不足ということになります。
 
従来、たんぱく質は不足していないという認識があり、その認識をもとに糖質・脂質・たんぱく質の理想的な摂取カロリー比が決められていました。
比でいうと、糖質50~65%、脂質20~30%、たんぱく質13~20%であり、いまだに糖質が高率であることは変わりありません。
ただ、最近になってたんぱく質不足が指摘されるようになりました。
2015年、厚生労働省の発表では、食物繊維とともにたんぱく質をしっかりとりましょうといわれています。
 
たんぱく質の推奨量は、18歳以上の男性で1日60g、女性で1日50g。
年齢別に見ると、成長期ではたんぱく質の必要量が多くなることは理解できますが、実は高齢者になると加齢とともにたんぱく質の必要量は増加するのです。
年を重ねても、たんぱく質の摂取量は減らしてはいけないのです。
 
なかでも、高齢者と若年女性のたんぱく質不足は深刻です。
 
高齢者がたんぱく質をしっかりとることで健康に結びついたケースとして、秋田県大仙市の例があります。
かつて秋田県大仙市は、長いあいだ、平均寿命が全国でも最下位に近かった。
脳出血も多く、自治体が地域主民の食事指導に取り組んだのです。
詳しい内容は割愛しますが、その指導のなかで目を引くのが「たんぱく質を積極的にとること」でした。
 
14年間おこなった結果は大成功。
動物性たんぱく質の摂取量が増えたにもかかわらず、動脈硬化が減少し、血圧は下がり、平均寿命は延び、なんと全国平均に追いついたのです。
また、血液中のアルブミン(たんぱく質の1つ)も増えていたのです。
 
年を重ねてくると、「コレステロールが気になるから肉や卵を控えている」という人もいるかもしれませんが、とんでもない勘違いです。
動物性たんぱく質こそ、意識してとらなければならないのです。
「うつ」は食べ物が原因だった! より」
 
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うつ病は、今やサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンノルアドレナリンが減少したり、視床下部や下垂体といった脳の機能の異常なども、原因として考えられています。
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
そのほかには、神経伝達物質セロトニンの材料となるトリプトファンや、セロトニンなどの生成に必要なビタミンB6・B12、葉酸などのビタミンB群を補給します。
 
腸内細菌は「葉酸」、「ビタミンB12」、「ビタミンB6」等のビタミンを産生することが知られています。
ビタミン含有食品の積極的な摂取も必要ですが、腸内環境を整え、細菌の力を最大限に借りることが本来のあるべき姿でしょう。
さらに、ビタミンB12は胃壁から分泌される因子(タンパク質)と結合して吸収されるので、胃や腸の機能も同時に整えることも重要です。
 
また、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要です。
 
ビタミンB12について?
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