骨も筋肉も「たんぱく質」からできている

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骨も筋肉も「たんぱく質」からできている
 
栄養と整形外科的な症状はどのようにかかわっているのか、具体的に骨と筋肉の“原料”から見ていきましょう。
 
筋肉の主原料がたんぱく質であることをご存知の方は多いと思います。
また、「骨の原料はカルシウム」ということはなかば常識となっています。
 
もちろん、カルシウムも原料ですが、実はもうひとつ重要な原料があるのです。
それはコラーゲンです。
 
骨の構造は鉄筋コンクリートのそれに似ています。
鉄筋コンクリートの構造は鉄筋の骨組みがあり、その上をコンクリートが覆っているというものです。
骨でいえば、コンクリートの部分に当たるのはカルシウムですが、鉄筋部分はコラーゲンでできているのです。
骨の体積の半分はコラーゲンです。
 
整形外科的な症状の代表格ともいえる骨粗鬆症では骨密度が問題とされますが、骨密度を測ってわかるのはコンクリート部分の状態(骨量)です。
しかし、骨の強度は骨密度だけではなく、鉄筋部分の状態、すなわち、骨質にも左右されるのです。
 
鉄筋コンクリートでも鉄筋部分が脆くなっていれば、構造全体も弱いものとなります。
骨もそれと同じで、コラーゲンの部分(鉄筋)に問題が起きれば、骨の強度にも大きく影響するのです。
 
正常なコラーゲンは架橋(橋をかけたような結合)がいい状態に保たれていますが、その架橋の状態が悪くなるとコラーゲンは強度を失い、骨に問題が起きてきます。
 
コラーゲンは「たんぱく質+「鉄」+「ビタミンC」からできています。
この3つの原料が十分に供給されることが、いいコラーゲンができる条件といっていいでしょう。
 
ここで、興味深い事例をご紹介しましょう。
知人の医師がスキーで鎖骨を骨折しました。
手術するほどのひどい骨折です。
栄養療法にも通じていたこの医師は、術後にビタミンC(高濃度ビタミンC)の点滴をしました。
 
それから2週間後、経過を診てもらいに主治医を訪れると、主治医は撮ったレントゲンを二度見するほど驚いたといいます。
なぜならその時点で「仮骨」という新しい骨の組織がすでにできていたからです。
 
通常、鎖骨を骨折した場合、仮骨ができるのは4週間~6週間です。
整形外科の現場ではほとんどあり得ません。
通常の治療との違いは、骨折後にビタミンCの点滴をしたということだけですから、その劇的な回復ぶりの理由はビタミンCにあるとしか考えられません。
 
このことから推測できるのは、骨の原料のひとつであるビタミンCを摂ったことで、コラーゲンが効率よくつくられ、わずか2週間で仮骨ができたということです。
治療を重ねる必要はあると思いますが、この“事実”は整形外科医に治療の新しい道を開くものである、といってもいいのではないでしょうか。
 
また、某大学の医師に栄養療法の話をした際、「わが意を得たり」という顔をされたこともありました。
その医師は研究で軟骨の培養をしているのですが、なんと培養液にビタミンC(アスコルビン酸)を入れているとのこと。
ビタミンCが持っている“骨をつくる効果”は、培養現場ではすでに当たり前なのです。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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ビタミンB群が不足するとエネルギーを生み出すことができず、疲れがなかなか回復しなくなったり、細胞の修復機能がダウンして、肌荒れや口内炎が治りにくくなったりするのです。
 
なかでも注目が、ビタミンB12です。
古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
 
ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。
脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
ビタミンB12の働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があり、実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれに悩まされている人にもおすすめです。
 
ビタミンB12について?
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