骨のトラブル(骨粗鬆症、骨折など)……たんぱく質+ビタミンC+鉄

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骨のトラブル(骨粗鬆症、骨折など)……たんぱく質+ビタミンC+鉄
 
クリニックでは、患者さんの骨密度を定期的に測定しています。
その結果からわかるのが、季節によって骨密度に違いが生じる患者さんがいるということです。
夏になると骨密度が下がり、秋から春にかけては骨密度が上がるのです。
 
なぜそのようなことが起きるのか。
それは栄養面から説明することができます。
 
暑い夏の時期は夏バテのために食欲が湧かないという人がいます。
そうした患者さんの口から語られるその時期の食事内容は、こんなものが多いのです。
 
「夏バテをしてしまって、さっぱりしたものしか喉を通りません。おそばやそうめんばかり食べています」
 
これでは栄養が不足するのも当然です。
(赤身)などはその時期に敬遠したくなる食品の最たるものでしょうから、間違いなく、たんぱく質、鉄が不足します。
また、そばやそうめんといった糖質ばかりの食生活では、ビタミンCも十分に摂れないと思われます。
 
骨の鉄筋部分はたんぱく質、鉄、ビタミンCからつくられるコラーゲンですから、たんぱく質、鉄、さらにはビタミンCが不足すれば、コラーゲンは低下します。
その劣化は、それを覆うカルシウムにも波及します。
骨密度が下がるのはそのためでしょう。
 
そんな状態では骨粗鬆症、骨折など骨のトラブルが起きやすくなって当然です。
数値の変化を受けてアドバイスをしました。
 
たんぱく質を摂りましょう。頑張って肉を食べてください」
 
秋口から春にかけて骨密度が上がってくるのは、まさに食欲の秋で患者さんがアドバイスにしたがってくれているからだと思います。
肉を食べる際には葉物野菜のサラダなどをつけ合せにすることもアドバイスします。
そうすればビタミンCも一緒に摂れるというわけです。
 
肉を食べることによって、たんぱく質、鉄、さらにサラダなどからビタミンCの不足を解消することで、骨は丈夫になるのです。
季節を問わず、コンスタントに食卓に並べたい食品は、やはり肉なのです。
 
高齢の男性が圧迫骨折をして来院したことがありました。
圧迫骨折というのは、脆くなった背骨がつぶれてしまう症状ですが、骨粗鬆症の人に起きることが多いといえます。
 
骨粗鬆症はホルモンバランスが崩れる閉経後の女性に多く見られ、男性がこの骨のトラブルを抱えているケースはあまりないのですが、この患者さんの場合は骨粗鬆症がかなり進んでいたようです。
血液検査をしたところ、貧血であることがわかりました。
 
貧血の原因のひとつが鉄不足であることはご存知でしょう。
それが骨粗鬆症を引き起こし、圧迫骨折につながってしまったのです。
 
治療法はコルセットを着用して骨がつくのを待つというものですが、最近はつぶれた部分に骨の成分に近い特殊なセメントを注入し、ふくらませて固めるという手術(椎体増幅形成術)もおこなわれています。
治療と平行して鉄不足を解消していくことが、回復を早めるためにも、再発を予防するために必要です。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
なぜ、このような法が提案されるに至ったのでしょうか。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
 
確かにお肉を食べなければ、ベジタリアンですが、ただそれだけでは、健康的なベジタリアンとは呼べません。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
 
また、ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は細胞の生成にとって重要な、核酸たんぱく質の合成に関わっているため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながることにもなります。
 
ビタミンB12について?
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