腰痛……たんぱく質+鉄、ビタミンB群

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腰痛……たんぱく質+鉄、ビタミンB群
 
定年を機に、肉をほとんど食べなくなってからというもの、疲れやすくなり、腰に痛みを感じるようになりました。
現役時代も腰が痛むことはありましたが、すぐに回復していたといいます。
 
レントゲンを撮ったところ、とくに原因は見当たりません。
食事の内容を尋ねると、「実は肉を食べさせてもらえないんです」という答え。
血液検査でも、明らかにたんぱく質と鉄が不足していました。
 
腰痛を引き起こしている原因は、骨のゆがみや変形ではなく、肉を食べないことでたんぱく質不足となり、筋肉が落ちて体をうまく支えられなくなっているせいだと説明したのです。
 
それから2週間後。
来院した患者さんは、「肉を食べたら、腰痛もなくなって元気が出てきましたよ!」と晴ればれとした表情で語ってくれました。
 
もちろん、肉を食べること(たんぱく質不足の解消)の効果のあらわれ方には、個人差があります。
しかし、食事を変えることでたんぱく質を十分に摂るようにすれば、骨にも筋肉にもいい影響がもたらされ、腰痛をはじめとした整形外科的な症状が改善することは間違いありません。
 
同様のケースは少なくありません。
 
腰痛を訴えてきたハイヤーの運転手の方がいました。
血液検査をすると、鉄不足が見られます。
鉄不足といっても、この患者さんの場合、ヘモグロビンの数値は正常で、「フェリチン」という数値が異常に低かったのです。
 
体内の鉄の約70%は血液中のヘモグロビンのなかに存在していますが、残りの30%はフェリチンとして貯蔵されています。
ヘモグロビン中の鉄が不足すると、貯蔵鉄であるフェリチンがそれをサポートし、ヘモグロビンの値が下がらないようにするのです。
 
この患者さんのようにヘモグロビンは正常であっても、フェリチンが不足している場合も、貧血症状が起こります。
ちなみに、通常の血液検査ではこのフェリチンの測定はおこなわれません。
 
患者さんの鉄(フェリチン)不足の原因は、いわば“職業病”でした。
ハイヤーの運転手という仕事は、座っている時間が長いうえに、自由にトイレに行くことができません。
お客さんが乗っているあいだは我慢を強いられます。
乗客がいないあいだに一気にさっとすます。
そんな排便スタイルが習慣になっていたのです。
 
長時間にわたって座位でいることと、そしてその排便スタイルのため、患者さんには痔がありました。
出血性の痔です。
鉄不足の原因はそこにありました。
 
それに気づかず、痛み止めの座薬を使い、湿布をしても、当然腰痛はよくなりません。
 
また、これも職業柄だと思いますが、食事もクルマのなかで簡単に食べられる、パンやおにぎりといったものになることが多いということでした。
これはたんぱく質が不足する典型的な食事です。
 
十分な鉄、そしてたんぱく質が摂れる食事をすること、間食でもそれが摂れるような工夫をすることをアドバイスしました。
不調を根本から改善するには、食べ物を変える必要がある。
それが栄養療法の鉄則なのです。
 
ちなみに、朝起きて顔を洗っているときにぎっくり腰になるというケースがありますが、それには筋肉にたまった乳酸やマグネシウム不足も関係している可能性があります。
 
筋肉のなかには、鉄を必要とするミオグロビンという鉄たんぱくがあります。
いってみれば、ヘモグロビンの筋肉版です。
これは筋肉に酸素を供給していますから、鉄が不足して十分に働けなくなると、筋肉が酸素不足に陥るのです。
 
無酸素状態で筋肉を使っていると、乳酸がたまってきます。
乳酸の代謝に必要なのがビタミンB群です。
ビタミンB群が足りないと乳酸が蓄積されやすくなり、筋肉が硬くなって伸縮性が低下します。
また、筋肉を緩める作用を持っているのがマグネシウムというミネラルですから、その不足があると筋肉がつりやすくなります。
 
乳酸をためないためには、鉄の摂取と同時にビタミンB群をとることも大切です。
さらに、マグネシウムもしっかりと補充して、筋肉のトラブルが起こらないように注意することが必要です。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
なぜ、このような法が提案されるに至ったのでしょうか。
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
 
確かにお肉を食べなければ、ベジタリアンですが、ただそれだけでは、健康的なベジタリアンとは呼べません。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
 
また、ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12は、胃の粘膜から分泌される内因子という糖タンパクと結合し、腸で吸収されます。
そのため胃の病気や高齢で吸収が悪くなっている人などの場合は吸収されにくくなるので、欠乏症状が現われやすくなります。
ビタミンB12は細胞の生成にとって重要な、核酸たんぱく質の合成に関わっているため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながることにもなります。
 
ビタミンB12について?
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