「コレステロールは悪者」という考え方はもう古い
肉や卵はコレステロールを増やす元凶。
古くからそんないい方がされてきました。
高年齢者ほどその“常識”が強く刷り込まれているかもしれません。
しかし、コレステロールに関する考え方は大きく変わってきています。
実は体内のコレステロールの多くは肝臓で合成されています。
コレステロールのうち、食べ物由来のものは全体の20%に過ぎず、あとの80%は肝臓で合成されるのです。
肝臓は私たちが生きていくために必要なたんぱく質をつくってくれている大切な臓器です。
その肝臓がわざわざ合成しているのがコレステロールなのです。
ですから、コレステロール値を気にして肉や卵を食べないでいることは、残念ながらあまり意味がないのです。
実際、卵が自分のコレステロール値を上げるのかどうか、身をもって試したことがあります。
半年間にわたって1日3個を食べ続けてみたのです。
そして、コレステロール値を測ったところ、数値は“実験”前とほとんど変わっていませんでした。
ただし、卵を食べるとコレステロールが上がる人がいることも事実です。
卵を食べたらコレステロールが上がるのかどうか、それを知るには血液検査で確かめることが必要です。
卵はすぐれたたんぱく源です。
生で食べれば、含まれているたんぱく質がそのまま摂取量になります。
たんぱく質を摂取するうえでこれほど有効な食品を、間違った思い込みに縛られて敬遠するのはもったいないと思いませんか。
コレステロールはむしろ、低すぎるほうが問題です。
ここでは、体内でのコレステロールの働きを知ってほしいと思います。
細胞膜の材料でもあり、少なくなると赤血球が壊れやすくなり、貧血の原因にもなります。
また、胆汁の材料となり、コレステロールが低いと脂質の吸収が悪くなります。
最後に、コレステロールはさまざまなホルモンの原料となっています。
男性ホルモンや女性ホルモンといった性ホルモンもそうです。
老化は体内に一定量の性ホルモンがないことでも進みます。
つまり、コレステロール不足は老化にも直結しているというわけです。
事実、コレステロールが高い人のほうが寿命が長いというデータも数多く示されています。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
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血管力を高める食事は、炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが基本です。
これに外せないものが、たんぱく質を十分に摂る食事を心がけることです。
たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くします。
動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぎます。
また、脳の機能にとって神経伝達物質がきわめて重要な存在です。
記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
ビタミンB12について?
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