カルシウム不足なのにカルシウムがたまる「石灰化」

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カルシウム不足なのにカルシウムがたまる「石灰化」
 
強調したいことのひとつは、骨を強くする栄養素はカルシウムだけではないということです。
 
これは極めて重要なことですから、もう一度おさらいをしておくことにしましょう。
 
骨は鉄筋コンクリート構造です。
カルシウムはそのコンクリート部分。
鉄筋部分はコラーゲンです。
コラーゲンは「たんぱく質」「鉄」「ビタミンC」でできています。
 
骨の強さを決めるのは「骨量」と「骨質」です。
骨量は骨に含まれるカルシウムの量といっていいでしょう。
一方、骨量は鉄筋部分であるコラーゲンの質のこと。
そのコラーゲンは架橋でつながれた構造になっています。
 
コラーゲンは糖化しやすい。
コラーゲンが糖化して脆くなっているということは、鉄筋に問題が起きているということですから、鉄筋コンクリート自体が壊れやすくなっている、つまり、骨が折れやすくなっている、ということにほかなりません。
 
 もちろん、カルシウムを摂ることは大事ですが、同時に丈夫なコラーゲンをつくるための栄養も取り入れなければ、骨を強くすることにはつながりません。
そのことを頭に入れてください。
 
 体内のカルシウムはすべて骨にあるわけではありません。
99%が骨や歯に、残りの1%が血液中や細胞内に存在しています。
重要なのはこの血液中のカルシウム濃度です。
 
 体には血液中のカルシウム濃度を一定に保つメカニズムが備わっています。
カルシウムの摂取が不足すると、血液中のカルシウム濃度が低下します。
すると、ホルモンが分泌され、骨からカルシウムが取り出されて、濃度を一定に保とうとするのです。
 
これは不可欠のメカニズムですが、カルシウム不足が慢性化すると、厄介なことになります。
常にこのメカニズムが働き、骨から過剰にカルシウムが溶け出すことになってしまうのです。
そして、余分なカルシウムは体のさまざまな部分にたまります。
「石灰化」もそのひとつです。
 
このように、カルシウムの摂取不足によって、逆に組織内にカルシウムが増えてしまう現象を「カルシウム・パラドックス」と呼びます。
パラドックスは「逆説」の意味です。
 
カルシウム・パラドックスによって、骨からカルシウムが出ていってしまえば、当然、骨は強度を失い、骨粗鬆症などの問題が起きてきます。
 
一方、組織内にたまったカルシウムは、本来あってはならない場所に蓄積してしまっています。
それが関節なら四十肩や五十肩を招き、血管であれば動脈硬化などの原因になります。
 
カルシウム・パラドックスが起こらないようにするには、カルシウム摂取不足を解消することです。
いろいろな方法がありますが、おすすめしたいのは、キビナゴ、カタクチイワシ、シシャモ、サクラエビなど、骨ごと食べられる小魚からの摂取です。
魚の缶詰も骨ごと食べられるのでおすすめの食品です。
 
ヨーグルトの摂り方、選び方
 
 ヨーグルトなど牛乳からつくられる乳製品は、少し注意が必要です。
 問題なのは乳製品に含まれる「カゼイン」というたんぱく質
このたんぱく質の特徴は分解されにくいこと。
つまり、十分に分解されない未消化の状態で腸に入ってしまい、「グルテン」と同じように、腸の粘膜を傷つけたり、炎症を起こしたりするのです。
 乳製品のカルシウムは吸収されやすいのですが、腸の環境が悪くなったら、うまく吸収されません。
もちろん、ほかの栄養素も同様です。
総じて栄養の吸収が悪くなるといっていいでしょう。
 カルシウムの吸収がいい反面、腸内環境を悪化させる乳製品は、いわば「諸刃の剣」だといえます。
 食べるのであれば、糖化を促すハチミツやジャムなどの甘味を加えず、せめてプレーンで摂りましょう。
 また、食べるとおなかが痛くなったり、下痢をしたりするということがあれば、それは食べているヨーグルトがおなかに合っていないと考えられます。
ヨーグルトは種類がたくさんあり、使われている菌も異なっているのですから、自分のおなかに合わないものはやめて、腸の調子が悪くならないもの、自分の腸に合ったものを探してみてください。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12について?
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