カルシウムとマグネシウムはセットで摂る

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カルシウムとマグネシウムはセットで摂る
 
マグネシウムはカルシウムと兄弟関係にある栄養素です。
2つは「ブラザー・イエン」と呼ばれ、お互いにサポートし合う働きをしています。
どちらかが不足しても、十分にそのサポート機能を果たすことができません。
 
マグネシウムは骨の形成にもかかわっています。
カルシウムとの連携で骨に弾力を与え、丈夫でしなやかな骨をつくります。
 
体内には25gのマグネシウムがあるとされますが、その半分ほどは骨に、残りの約半分は筋肉、肝臓などに存在します。
 
極めて重要なミネラルであるマグネシウムですが、現代人にはマグネシウム不足が顕著に見られます。
カルシウム不足は声高に指摘されるのに対して、マグネシウム不足について触れられることはほとんどありません。
栄養整形外科医としては、マグネシウムの重要性についても、もっと認知されることを願っています。
 
ストレスもマグネシウムが不足する一因となっています。
現代は複雑で重層的なストレス社会です。
ストレスがない人はまずいませんが、高いストレスを感じていると、マグネシウムは尿から排泄されてしまうのです。
 
ストレスが高まって交感神経が刺激されると、尿細管でのマグネシウムの再吸収が抑えられ、尿と一緒に体外に出てしまう。
整形外科のトラブルによる痛みも、当然ストレスになりますから、排泄されるマグネシウムの量は増えているはずです。
 
また、アルコールの過剰摂取や、白米や白砂糖、小麦粉などの精製食品中心の食事も、マグネシウムが不足する原因となっています。
 
カルシウムの濃度が重要ですが、その濃度調節をしているのがマグネシウムです。
カルシウムが過剰になるのを抑制する働きをしているのです。
そのため、マグネシウムは「天然のカルシウム拮抗剤」とも呼ばれています。
 
筋肉についていえば、筋肉を縮めるのがカルシウム、ゆるめるのがマグネシウムです。
ですから、マグネシウムが不足すると、こむら返り、肉離れといった筋肉のトラブルが発生しやすくなります。
 
カルシウムとマグネシウムは「2対1」の比率で摂るのがいいといわれています。
しかし、この常識には栄養療法の立場から疑問を呈したいと思います。
その根拠は、カルシウムとマグネシウムは同じ比率で排泄される、というところにあります。
 
カルシウム2、マグネシウム1の割合で摂取して、排泄比率が同じであれば、必然的にマグネシウムは不足することになります。
カルシウムとマグネシウムは「1対1」の比率で摂る。
それが「新常識」です。
 
マグネシウムはあおさ(素干し)などの海藻類、干しエビ、大豆、ナッツ類などにたくさん含まれています。
ナッツでは皮の部分に豊富ですから、皮ごと食べるようにしましょう。
 
ただし、高齢者の場合、歯が悪くて食べられないということもあると思います。
そんなときは大豆製品である豆腐やおからを摂りましょう。
おすすめしているのはにがりです。
にがりは海水から塩をつくる際にできる液体で、マグネシウムをはじめ、ミネラルを豊富に含んでいます。
 
天然のマグネシウムであるにがりを、朝晩、コップの水5~10滴たらして飲むのもいいので、患者さんにおすすめしています。
お風呂上りなどに飲めば、筋肉がほぐれてぐっすり眠れ、足がつったりすることもなくなるかもしれません。
 
もうひとつ意識してほしいのが塩です。
いわゆる食塩(塩化ナトリウム)を使っている人が多いと思いますが、それを「海の天然塩(海水を乾燥させたもの)」に替えるのです。
塩分(ナトリウム)が血圧を上げることは知られていますが、食塩はそのナトリウムのかたまりです。
血圧が高くなりがちな高齢者はとくに控えるべきです。
 
一方、理想的なミネラルバランスだといわれる海水からつくられる海の天然塩は、そのバランスを引き継いでいます。
塩はさまざまな料理に使われる、使用頻度の高い調味料ですから、それをマグネシウム(ミネラル)のとれるものに変えることの効果は効果は、決して小さくないはずです。
私は夏の暑い時期には、海の塩を水で溶かしてミネラル補給をします。
熱中症予防に有効です。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
ビタミンB12について?
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