「運動だけ」ではかえって体を壊す

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「運動だけ」ではかえって体を壊す
 
「そんなことはいわれるまでもない。ジムに通って体を鍛えている」
 
おそらく、そんな人も少なくないでしょう。
もちろん、機能を維持する、さらには向上させるためには、運動は不可欠です。
機能維持、向上のための必要条件といってもいい。
しかし、それは運動だけしていればいいということを意味するものではないでしょう。
 
それどころか、運動がかえって体を害することさえあるのです。
過剰な運動をしていた患者さんの例を紹介しましょう。
 
60代後半の男性です。
週に3日間、40kgのバーベルを上げて体を鍛えていました。
趣味はゴルフで、コースに出る前日に練習場で400発のポールを打ったところ、腰に張りを感じたといいます。
 
それでも翌日はコースに出たのですが、プレーの途中でかがむこともできなくなったのです。
クリニックに来院され、診察したところ、腰痛が認められました。
しかし、レントゲン写真には腰痛を起こすような所見はありませんでした。
 
問題は食事にありました。
運動は別の目線から考えると、骨や筋肉に負荷をかけてそれらを壊しているものですから、それを修復させるための栄養を食事によって供給することが欠かせません。
栄養そっちのけで運動すれば、骨も筋肉も鍛えられるどころか、負荷に耐えきれず悲鳴を上げます。
実際、この男性も筋肉量が低下していました。
 
食事内容を伺うと、野菜中心で、肉は鶏肉か豚肉が多く、夜はアルコールを飲んでいる、というものでした。
血液検査をしたところ、たんぱく質の摂取が少なく、鉄も不足していることがわかりました。
 
この例からも明らかなように、「運動機能の維持、向上=運動の実践」という短絡的な考え方は見直す必要があります。
栄養の供給という視点を持つ。
見直しの最大のポイントはそこにあります。
 
足腰を鍛えるためにスクワットをやる人もいるようです。
確かにスクワットで足の筋肉は鍛えられますが、仮に食事がそれまでと変わらなければ、そのひずみがどこかにあらわれます。
筋肉を増やすような食事をしていなければ、足の筋肉を増やすためのたんぱく質を、体のなかにあるどこかの使わない筋肉、例えば腕の筋肉から借りてくることになるので、腕が細くなっていくのです。
 
運動をはじめたのに食事量が変わらないということは、筋肉をつくるための材料の供給量が足りていないということです。
今までと同じ供給量では、よりたくさんの筋肉をつくることはできません。
つまり、どこかが増えた分、どこかが減るのです。
 
食事で材料の供給量を増やさなければ、ほかの部分の筋肉を減らさないで、目的の部分筋肉を増やすことはできません。
 
運動と食事(栄養供給)はクルマの両輪と考えてください。
食事に目を向けることで、必要十分条件がそろうのです。
その2つのバランスがとれていてこそ、運動機能の維持、向上という目標に向かって正しく進むことができる。
このことはしっかり、頭に入れておいてください。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
 
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イタリアで、子供に完全菜食を強いる親に対し、禁固刑の罰則を与えるという変わった法案が議会に提出されました。
肉や魚を食べない人を菜食主義者の「ベジタリアン」と呼ぶのに対し、肉や魚だけでなく、卵、バター、はちみつなど、動物搾取による製品も食さない人を完全菜食主義者の「ビーガン」と呼んでいます。
 
 つまり、イタリアでは、子供に肉、魚、卵などを与えないビーガンの親は、法律で罰せられるべきという議論が持ち上がっているのです。
なぜ、このような法が提案されるに至ったのでしょうか。
 
イタリアでは、ビーガンが人間にとって、著しく健康に良いという考えが普及した結果、動物性の食物をすべて取り除いた食事を子供たちに強要する傾向が見られるのです。
 
 このブームが影響し、ここ最近では、乳幼児や2歳の子供たちが栄養失調で病院に運ばれ、時には、危篤状態に陥る事態などが発生。
幼少時に必要なプロテイン、ビタミンD、B12、カルシウム、オメガ3、鉄分などがビーガンには足りないという問題が危惧されているのです。
 
確かにお肉を食べなければ、ベジタリアンですが、ただそれだけでは、健康的なベジタリアンとは呼べません。
お肉には、私達の体が必要とする必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれています。
それに匹敵するほど効率よく必須アミノ酸を私達の体に提供できる野菜はありませんから、お肉を食べずに体を健康的に保つには、それなりの方法を知らなくてはなりません。
 
また、ビタミンB12を含む穀類、イモ類、野菜、果物、種実はありませんから、ビタミンB12の欠乏症に陥るベジタリアン/ビーガンが多いのが現状です。
動物性食品以外では、発酵食品、海苔に含まれているのみです。
これだけは必ずしっかり毎日の食事に加えるようにしましょう。
 
 加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
 
ビタミンB12について?
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