高齢者ほどたんぱく質が必要
ここで少し興味深いデータを紹介しましょう。
寝たきりの人とそうでない人(普通に日常生活を送っている人)の「1日に必要なたんぱく質の量」の比較です。
どちらが多いと思いますか。
おそらく、そう予想される人が多いのではないでしょうか。
ところが、逆なのです。
寝たきりでいるほうが1日に必要なたんぱく質の量は増すのです。
寝たきりでいるということは、地球(ベッド)に接触している面が大きいわけです。
頭のてっぺんから足の爪先まで重力にさらされている。
そこには圧力がかかっていますから、たんぱく質がこわれることになるのです。
寝たきりの人に褥瘡(床ずれ)が見られるのは、その部分が圧迫され続け、酸素や栄養が行き渡らなくなるためです。
このことも、寝ている状態が大きな圧力を受けていることを示すものでしょう。
一方、立っている状態で接地しているのは足の裏だけです。
つまり、重力にさらされている部分が少ない。
そのため、たんぱく質もあまり壊れないのだと考えられます。
ということは、本来、寝たきりの人はそうでない人より、余計にたんぱく質を摂取する必要があるわけです。
しかし、寝たきりの人が肉をモリモリ食べるということはありません。
それどころかおかゆやスープ、パンやバナナなどを食べています。
ですから、寝たきりの人は、骨や筋肉の原料であるたんぱく質がますます不足して、さらに老化が進むのです。
また、たんぱく質の必要量は成長期と高齢期で増えるというデータもあります。
体をつくっていく成長期は当然ですが、高齢者が多くのたんぱく質を必要とするのは、ちょっと不思議な気がするかもしれません。
これもやはり、高齢者は壊れていくたんぱく質を補う必要があるからだと考えられます。
これは、スクラップ&ビルド、つまり、まず古いものを壊してから、新しくつくり変えるということです。
適度に動いていれば、筋肉をはじめとする組織に血液がよく流れて、酸素や栄養が十分に行きわたります。
つまり、壊すのは普通におこなわれるけれど、つくり直すための栄養が巡ってこないので、新しいたんぱく質がつくれなくなるのではないでしょうか。
いずれにしても、たんぱく質を摂って、筋トレをすることが、高齢者には必須の課題なのです。
「骨と筋肉が若返る食べ方 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
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