深呼吸で脳神経細胞の酸欠を防ごう
心臓ポンプの完全停止は特例としても、循環機能の低下は加齢とともに、かなりの頻度で現れます。
年を取ると、坂を上がるにも、心臓の鼓動は高まり、息切れも増える。
心臓ポンプの機能低下の証拠です。
こんな時に救いの神が現れます。
深呼吸です。
ものは試しで、坂を上がる時、深呼吸を繰り返します。
一歩ごとに一段ごとに、深呼吸を繰り返す。
すると、ウソのように、坂も階段もラクになる。
足や各部の筋肉に十分酸素が補給されたからです。
こんなこともあるでしょう。
結婚式などのスピーチ前は、いわゆる「あがって」しまって、喉はカラカラ、心臓ドキドキの超興奮状態。
交感神経が過剰緊張した結果ですが、血管が細くなり、脳は軽い酸欠。
こうなると、正常な判断力も低下し、「あがる」はさらにひどくなります。
そこで深呼吸を数回繰り返す。
だが、このときの深呼吸は、ちょっと違う。
交感神経が異常興奮しているのです。
その異常興奮を緩めるためには、反対の副交感神経を優位にする必要があります。
そこで吐く息を、吸う息の二倍も三倍もの時間をかけて、超ゆっくりにし息を吐く。
唇にもひと工夫が必要になる。
口笛を吹くような形にして、息を吐く。
この口笛方式は、潜水を職業としている海女さんたちも実行しています。
また、呼吸困難を主訴とする肺気腫の呼吸リハビリにも応用されています。
海女さん式深呼吸を数回繰り返す。
やがて副交感神経が優位になり、血管は広がり、同時に大量の酸素が補給される。
そうなると脳の酸欠が救われ、正常の判断力や記憶力、思考力が戻る。
スピーチ前の「上がり」現象もおさまります。
脳の軽度の酸欠は、「あわてる」という現象でも現れます。
「あわてる」と交感神経の異常興奮が始まり、脳は疲労し、記憶力も低下する。
こうした「あわてる」脳は、名前忘れの度にも現れます。
「あの人の名前は、なんだったか。もうすぐ挨拶をするのだ。名前を忘れた、どうしよう」。
脳は思い出すために焦り狂います。
しかし、焦れば焦るほど、交感神経は異常興奮を起こして血管は細くなり、脳神経細胞の酸欠はひどくなる。
同時に、思い出しも困難になる。
だからこそ深呼吸が必要なのです。
「人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
死滅した神経細胞は再生されず物忘れもひどくなります。
しかし、死滅した神経細胞は元に戻らなくとも、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
ビタミンB12について?
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