歩行速度を無理のない程度に速める

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歩行速度を無理のない程度に速める
 
多くの認知症予防の本には、必ずと言ってよいほど、運動の必要性が書かれています。
 
ところが世の中は広い。
運動嫌いな人はかなりいます。
運動嫌いな人は必要だと分かっていても、取り組もうとはしません。
 
嫌いな人に、好きになれというほうが無理なのかもしれない。
しかし、やらなければボケるのです。
 
そこで、運動嫌いな人には、こんな工夫をしてみました。
 
人間は好き嫌いの別なく歩きます。
歩かなければ、毎日の生活すらままなりません。
そうでしょう。
歩くから会社にも行けるし、歩くから毎日の食事の支度もできるのです。
 
この毎日の歩きを応用して、認知症予防を考えましょう。
 
1日1万歩は、夢の物語です。
できない相談はやめましょう。
すぐに挫折して落胆する。
挫折は大きな負担になって、自信を打ち壊し、意欲の低下をもたらします。
 
そこで、歩き方を少し変えてみましょう。
方法は二つあります。
 
第一の方法は、歩く速度を変えるのです。
全歩行を変えると、すぐに疲れます。
疲れれば、歩行運動も中止になるでしょう。
 
まず、歩行速度を無理のない程度に速めます。
少しでも疲れたら、遅いペースに戻します。
疲れが回復したら、再び歩行速度を上げます。
 
つまり、ゆっくり歩いたり、早足で歩いたりの繰り返しです。
 
この緩急を混ぜた歩き方は「インターバル歩行」と呼ばれて、かなりの優れものです。
 
インターバル歩行については、信州大学大学院医学系研究科の能勢博教授が詳しく研究されておられます。
 
2003年から現在まで、6200人の中高年者を対象としての研究調査です。
 
肥満解消、筋力アップ、高血糖や高血圧の改善などの効果が明らかになっています。
 
筋力アップ、高血糖や高血圧の改善とくれば、次には認知症予防も加わります。
筋肉が強化されれば、筋肉内にある「筋紡錘」という知覚神経の末端が刺激されます。
 
その結果、脳覚醒作用となって、全脳を目覚めさせる。
認知症予防も可能になります。
 
「でも、速くしたり遅くしたり、面倒だ」とダダをこねる人には、短時間の軽い速足歩行もあります。
 
2014年筑波大学大学院人間総合科学研究科の征矢教授らは、心拍数で1分間90~100ぐらいの軽い運動でも、効果があることを明らかにしました。
 
1日10分、速く歩くと、2週間で脳神経が増え、6週間で認知機能自体が向上することが分かったといいます。
人の名前が出てこなくなったときに読む本 より」
 
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物忘れとは、脳は、体の機能全般をコントロールしている司令塔ですが、加齢とともにその働きは衰え物忘れの症状が出てきます。
脳血管の動脈硬化を放っておくと、血液循環が悪くなって脳細胞の動きが低下し、記憶力や思考力などが鈍り物忘れがはじまります。
40歳を越えた頃から「ど忘れや物忘れが激しくなった」「人の名前がなかなか思い出せなくなった」などと物忘れを感じるようになるのは、脳機能低下のあらわれです。
脳の神経細胞は約140億個といわれ、25歳を過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅していきます。
しかし、神経の通り、すなわちネットワークをよくすれば、低下した機能を補い、さらには高めることができ物忘れも改善されます。
 
物忘れに関する神経伝達物質の中で記憶と学習にかかわっているのはアセチルコリンで、このアセチルコリンはコリンと酵素を原料にしてつくられています。
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
 
レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
なお、レシチンアセチルコリンに合成するには、ビタミンB群が欠かせないため、同時にとることが望ましいのです。
アルツハイマー認知症の患者の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。
 
ビタミンB12について?
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