疲れていない脳番地を使う効用

イメージ 1
疲れていない脳番地を使う効用
 
臨床医として仕事に追われる毎日を送っていた時期は、寝る暇もない状況でした。
当然、身も心も疲弊していたのですが、ある日外食した際、別のことを考えていたら、ボーッとしていた頭が不思議なほどすっきりした経験があります。
臨床医として患者さんと接する際に使う脳番地とは別の脳番地を刺激したから、疲れを棚に上げることができて、しかも爽快感すら感じたのかもしれません。
 
人間は睡眠をきちんととらなくてはならないですが、仕事で同じ脳番地ばかり使ったときには、帰宅して入浴して就寝するだけでは、実は十分な休養をとったことになりません。
 
確かに酷使した脳は疲れ切っていることでしょう。
しかし、そのほかの脳番地はほとんど使われておらず、まったく疲れていないわけです。
そしてこのとき、その疲れていない脳番地を刺激してあげると、「疲れている」という意識を変えることができるのです。
 
たとえば、仕事帰りにスポーツジムで汗を流すのもいいでしょう。
これは仕事とは別の脳番地を使うことになるからです。
また、仕事帰りに仲間と飲みに行くことも良い効果があります。
退勤後は仕事とは別の脳番地を使うよう、意識して心がけてみてください。
 
毎晩早く寝る
 
早く寝るという行為は、意図的にとる「積極的な睡眠」となります。
睡眠に関しては、寝ようと思って寝る、起きようと思って起きるべき。
なぜなら脳の思考系が強化され、生きる意思も強くなるからです。
 
また早寝すると、早朝から頭がすっきりするため、せかせかすることがありません。
睡眠不足の人ほど焦りがちで、そのくせいたずらに時間ばかりが流れていくのです。
 
現代社会には、体内時計が崩れる要因が数多くあります。
たとえば「ジェットラグ」と呼ばれる時差ボケを海外旅行で経験したことがあるでしょう。
 
加えて寝る前に避けるべきは、スマホを触ることです。
スマホの明るいライトは不眠の原因になるからです。
特にブルーライトメラトニンの分泌を低下させて脳を覚醒させるので、寝る前は絶対にスマホを触らないようにしてください。
50歳を超えても脳が若返る生き方 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
記憶力の減退も、脳の老化を示す典型的な症状ですが、記憶のネットワークを活性化する働きをしているのが、脳の海馬という組織であることはよく知られています。
その海馬には、アセチルコリン系神経が集中しているのです。
 
脳が老化し、萎縮してしまうアルツハイマーとの関係はとくに深く、アルツハイマーの脳ではアセチルコリンが減少していることから、アセチルコリン不足がアルツハイマーのひとつの原因とも考えられています。
 
アセチルコリンの合成にはコリン、ビタミンB1、ビタミンB12などがかかわっています。
同時にこれらの栄養をとることが、アセチルコリンを増やすことにつながるわけです。
通常、コリンはレシチン(フォスファチジルコリン)のかたちで、食材から摂取されます。
 
レシチンアセチルコリンの材料になるだけではなく、細胞膜の材料にもなっています。
とくに脳の神経細胞の細胞膜にはたくさん含まれていて、多彩な働きをしています。
血液にのって運ばれる栄養の細胞内へのとり込みや細胞内の老廃物の排出、神経伝達物質の放出や情報ネットワークの形成といった、脳の機能全体に深くかかわっています。
これが、レシチンが「脳の栄養素」と呼ばれるゆえんです。
そのレシチンを多く含んでいる食品の代表が卵黄です。
 
また、脳を酷使するときには、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
 
ビタミンB12について?
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!