肉と光で、なぜ気分が高揚するのだろうか

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肉と光で、なぜ気分が高揚するのだろうか
 
子どもは肉料理が大好きです。
育ち盛りの子どもはとくにそうで、母親がカレーやシチューを作ると真っ先に肉を食べます。
晩ご飯に焼き肉やトンカツが並ぶと「わーい、肉だ!」と歓声を上げる子は少しも珍しくありません。
 
大人だって同じです。
 
仕事が終わって家に帰った父親は、テーブルに肉料理が並んでいれば「おっ!」と気分が高揚します。
「よし、これ食べて疲れを吹き飛ばそう」と元気が出てきます。
休日に家族揃って晩ご飯を食べるときでも、ホットプレートで肉を焼いて食べるような食事なら会話も弾むし、雰囲気も明るくなります。
母親もそういうときは赤ワインを楽しみたくなります。
みんな上機嫌で食事ができるのです。
 
肉を食べると快活になる、元気になる、楽しくなるというのは、たぶんほとんどの人が実感として頷けると思います。
たとえ気分的なものだとしても、たしかにエネルギッシュになるように感じるのです。
 
もちろん肉は高カロリーです。
タンパク質や脂肪といった人間のエネルギーの素となる成分がたっぷりと含まれています。
食べれば元気になるというのは生理学的に説明できます。
でも、食べているだけで元気になるというのは完全に気分の問題です。
いったい、あの気分はどこから生まれてくるのでしょうか。
 
同じことは光にも言えます。
 
朝起きて青空が広がっていればそれだけで「さあ、頑張ろう」という気になります。
ずっとデスクワークを続けている人でも、昼休みに外に出てまぶしい日差しを浴びると開放感に包まれます。
どんよりとした空よりも、日の光に満ちた青空のほうが元気になれるというのは、たぶんほとんどの人が感じることだと思います。
 
その理由を脳内の神経伝達物質セロトニンで説明することはできます。
 
たとえばうつ病になると脳内のセロトニンが減少します。
肉にはこりセロトニンの材料となるアミノ酸の一種、トリプトファンが含まれていますし、光がセロトニンの分泌を促すことも知られています。
医学的な根拠はあるのです。
 
でも、肉や光が脳内のセロトニンの量を増やすまでにはタイムラグがあります。
「わーい、肉だ!」とか「さあ、晴れたぞ!」という高揚感が、なぜその場で生まれてくるかという疑問への答えにはなりません。
「脳のため光を浴びよう肉を食べよう より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
脳を酷使するときにも、たくさんのビタミンB群が消費されています。
B群は脳の働きに重要な役割を担っているのです。
糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。
また、脳の神経伝達物質の合成すべての段階に関わっています。
神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、タンパク質をドーパミンセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力向上」のためにもB群は欠かすことができないのです。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
 
ビタミンB12について?
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