脳梗塞の前ぶれ(一過性脳虚血発作)を見逃さない

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脳梗塞の前ぶれ(一過性脳虚血発作)を見逃さない
 
脳梗塞を起こす患者の約3割は、本格的な発作の前に前ぶれの発作を体験しています。
前ぶれの発作を見逃すことなく、適切に対処することが、脳梗塞の予防につながります。
 
≪TIAは脳梗塞を起こす警告≫
 
脳梗塞では、前ぶれの発作がしばしば起こります。
これをTIA(一過性脳虚血発作)といいます。
一時的に脳梗塞のような症状があらわれますが、24時間以内に消えてしまうのが特徴です。
24時間以内といっても、実際には、短い場合はほんの数分、長くても30分程度で症状が消えてしまうケースがほとんどです。
 
TIAが起きても何の後遺症も残さないため、治ってしまうと、「気のせいだ」「疲れたせいだ」と、そのまま放置するケースが多いのですが、実はこれが本格的な発作の前ぶれである場合が多いのです。
TIAを起こした人の3分の1は、その後に脳梗塞の発作を起こし、3分の1はTIAを繰り返すという報告もあります。
 
いったんTIAを起こすと、1週間から1ヶ月以内に本格的な発作を起こす危険が高いとされています。
最近、特に24時間以内の発症が多いことが明らかになってきました。
TIAは、「脳梗塞の危険が切迫している」という警告として受け止めましょう。
 
≪こんな症状があったら、TIAの可能性が……≫
 
TIAが起きると、次のような症状があらわれます。
 
●運動障害
体の左右どちらかが、急に力が入らなくなったり、動かせなくなります。
運動障害は、TIAでもっとも頻繁に見られる症状です。
食事中に、急に茶碗や箸をポロリと落として気づくケースもあります。
 
●感覚障害
体の左右どちらかがしびれたり、力が入らなくなったり、感覚が鈍くなったりします。
同じ側の手や口のまわりがビリビリしたような感覚になることもあります。
 
舌がもつれたようになってろれつが回らなくなったり、うまくしゃべれなかったり、言葉が出てこないなどの症状が起きます。
自分の話している内容や、相手の話している内容がわからなくなる場合もあります。
 
●バランス感覚の障害
体のバランスが悪くなってふらついたり、足がもつれたりして、うまく歩けなくなります。
ぐるぐると回転するようなめまいを感じたり、床がぐらぐら揺れるように感じることもあります。
 
物が二重に見えたり、両目ともに視野の片側半分が欠けたり、片側の目が見えなくなったりします。
このほか、物が飲み込みにくくなることもあります。
 
≪脳血管が一時的に詰まった状態に≫
 
TIAが起きる仕組みを説明する前に、脳梗塞の種類を簡単に述べておきましょう。
 
脳梗塞には、太い血管の動脈硬化が原因となるアテローム血栓脳梗塞、脳の細い血管に生じるラクナ梗塞、心臓病が原因となって起きる心原性脳塞栓症などの種類がありますが、発作の前ぶれとしてTIAが起きるのは、アテローム血栓脳梗塞でもっとも多く見られます。
 
脳に血液を送っている動脈には、内頸動脈と椎骨動脈がありますが、これらの動脈が硬化するとTIAが起きやすくなります。
特に多いのは、内頸動脈の動脈硬化によるTIAです。
 
頸動脈というのは、頸の左右にある動脈のことです。
頸動脈にアテロームという「おかゆ」のようなかたまりができると、しだいに血管の内径が狭くなっていきます。これを動脈硬化といいますが、なんらかの原因で、このアテロームをおおう膜がはがれることがあります。
 
すると、補修のために血小板が集まってきて血栓をつくります。
血栓というのは血のかたまりですが、この血栓が血液の流れにのって脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせてしまうのです。
その結果、血流がとだえて、さまざまな症状があらわれてきます。
 
≪放置しないで必ず専門医を受診≫
 
ところで、詰まった動脈は、なぜ数分から数十分で開通してしまうのでしょう。
それは、血小板が主体となってつくられた血栓は、フィプリン(血液を凝固させるタンパク質)が主体となってつくられる血栓とくらべ、溶けやすい性質を持っているからです。
 
また、できたばかりの血栓はもろいため、すぐに溶けてしまいます。
詰まっていた血栓が短時間で溶けてなくなれば、すぐに血流は回復し、何事もなかったかのように症状も消えます。
 
しかし、恐ろしいのは、症状が消えても、脳の中で何かが起きている可能性を否定できないという点です。
かなり大きな脳梗塞が起きていても、脳の大事な場所からわずかでもずれていると、一時的な症状しかあらわれない場合もありますし、小さな脳梗塞がすでにできている可能性もあります。
 
ですから、TIAの症状があったら、できるだけその日のうちに専門医に診てもらうことが大切です。
症状が消えたからといって、けっしてそのまま放置してはいけません。
 
≪TIAの治療は薬物療法が中心≫
 
検査の結果、TIAであることがわかれば、できるだけ早く治療を行わなければなりません。
短時間のうちに、本格的な脳梗塞の発作を起こす危険性があるからです。
 
治療は薬物療法が主体となります。
血栓をつくる主体となる血小板の働きを抑えるために、アスピリンなどの抗血小板薬が用いられます。
頸動脈の動脈硬化が進行している場合は、血管のアテローム血栓をとり除く手術や血管を広げるステントという網目状の筒を挿入することがあります。
 
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 人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
 
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
 
隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから脳の血管を健康に保つ生活を心がけ、脳梗塞を予防し、脳の健康を守ることが大切なのです。

 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ成分です。
また、ビタミンB群はバランスよく摂ることが望ましいといわれております。
 
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