脳の病気
脳の無限を引き出すために 脳は、体を動かすだけでなく、精神活動を含め、人間のあらゆる働きを司っています。 たとえば、左半身の運動麻痺が残ってしまった人は、右脳の運動神経回路は障害されたけれど、左脳の運動神経やほかの神経機能は、すべて保たれて…
脳にはまだ知られていない「驚くべき力」がある 脳卒中は、脳の一部を壊してしまう病気です。 しかし、脳には驚くべき力が眠っています。 運動麻痺は6ヶ月を過ぎると改善が見られなくなるのに対し、言語障害が回復するのは脳のすごさを物語る、一つの事例で…
自分を責めず、すべてを受け入れる 脳卒中にならないためには、バランスの良い生活が大事で、病気の兆候がある人は用心しましょう。 そして、遺伝的な原因は別として、病気はあなた自身がつくったもの。 そうしたことがわかっているからか、脳卒中を発症した…
健康寿命をのばすということ 「人間は血管とともに老いる」 これは、約100年前に、医学者のウイリアム・オスラー博士が言った言葉です。 言い換えれば、「血管を老いさせなければ死なない」ともいえるわけです。 “不老長寿”は、人々に共通する願いなのかもし…
脳卒中にならないために知っておきたい、これだけのこと 1.いちばんの害悪はやっぱりタバコ 2.「高血圧」をしっかり管理する 3.「死の四重奏」は食事から 高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満(メタボ)の、いわゆる「死の四重奏」は、脳卒中の一番の危険因子で…
現実を受け入れ、それを変える生き方 「病は気から」といいますが、その前に、私たちは遺伝子の影響を受けながら生きていることも事実です。 家族の誰かに脳卒中を経験した人がいる場合、確かにそのリスクは高まります。 しかし、脳卒中は“遺伝病”ではありま…
人間の「心」とはいったい何なのか ところで、人間の「心」とは何でしょうか。 体には、心臓はありますが、「心」という気管や部位はありません。 「心」というのは、昔は心臓にあると思われていたようです。 心臓が全身を統御していると、昔の人は考えたの…
あなたの「心」が、あなたの「行動」を決める 習慣は日々の行動が、積み重なってできるものです。 ですから、多くの人は、なかなか習慣を変えられません。 というより、変えようとしません。 ところが、たいていの人は、大きな病気をすると、習慣が変われま…
水分を定期的に補給して血液ドロドロを防ぐ 生活や精神のバランスが崩れると、体に負担をかけ、血管などにも過度の圧力がかかります。 こうしたバランスの悪い生活は、血液の状態も悪くします。 あなたの血液はサラサラですか? それとも、ドロドロだと思い…
神経の働きを知ると、自分がわかる 脳は全身の司令塔です。 そこにはさまざまな情報が伝えられ、脳はその情報を処理し、体の各部位に指令を出します。 このとき、情報をもたらしたり、脳の指令を伝えたりするのが神経です。 難しいと思わず、自分の体をイメ…
ストレスは脳卒中の「最後の引き金」になる ストレスそのものが脳卒中を引き起こすのではなく、その“引き金”になり得るということ。 「動脈硬化の危険因子」になるのは、やはり生活習慣です。 動物性脂肪の多い食事や運動不足、喫煙、お酒の飲み過ぎなど、日…
対人関係以外にもストレスはある ストレスというと、「対人関係がうまくいかない」とか「仕事がきつい」など、精神的なものが真っ先に思い浮かぶでしょうが、それだけではありません。 疲れや痛みも、ストレスです。 イライラしたり、不安になったり、悲しく…
ストレスが血圧を上げる バランスという面では、「精神のバランス」も大切な要素です。 精神のバランスは、「交感神経と副交感神経のバランス」にも影響します。 交感神経と副交感神経は、血管の収縮などにも関係していて、脳卒中にも深い関わりがあるのです…
「バランスの乱れ」が脳卒中を呼ぶ いうまでもなく、「自分の健康は自分で守る」のが基本です。 しかし、世間でもてはやされる健康法の中にはかなり極端で、とうてい容認できないものもあります。 たとえば、「炭水化物はなるべく摂らない」とか「肉をたくさ…
脳卒中を発症したらどの病院に行くか、事前に決めておく 脳卒中の診断法も治療法も、さまざまです。 しかしいずれにしても、対処が早ければ、それだけ治療の選択肢は拡がり、「活き活きした生活」に戻れる確率は高まります。 これは絶対的な事実です。 「ど…
脳梗塞の治療薬「t-PA」は瀕死の脳細胞を救えるか? 「t-PA」は、血栓を溶かし、血流を早期に再開させる画期的な治療薬ですが、いくつか問題もあります。 一つは、時間の問題。 「4時間30分以内」といっても、患者さんが病院に運ばれ、すぐに「t-PA…
なぜ、脳梗塞の対処を急ぐのか? 2005年に「t-PA」という脳梗塞の治療薬が認可されました。 大きな期待を受け“夢の治療薬”として登場した薬ですが、その実力はどうなのでしょうか。 「t-PA」は、脳の動脈を詰まらせている血栓を溶かして、血流を再開さ…
脳梗塞の治療はスピードが決め手 脳卒中の治療は、スピードが命です。 早期に治療すれば、それだけ命が助かる確率も高くなり、重大な後遺症を残す可能性も低くなるからです。 その後の病状は、いかに早く治療できるかにかかっているのです。 そのためには、…
自分の都合のいいように解釈しない TIA(一過性脳虚血発作)もそうですが、自分の体の「小さな異変」に気づくことができるのは、自分だけです。 あなたの体のことは、あなたがいちばんよく知っているのです。 しかし、人間は、自分に都合がいいほうに解釈する…
「一過性脳虚血発作(TIA)」を「不幸中の幸い」ととらえる TIAを自覚したときには、「神経内科」や「脳外科」など、脳卒中の専門医がいるところに行くべきです。 たとえば、「右手足の脱力」を心配して、診療所を受診する人がいます。 しかし、TIAの場合、受…
「一過性脳虚血発作(TIA)」を知っているかどうかで人生が変わる TIAの後の“大噴火”は、2週間以内が危ないとされます。 2週間以内に、本物の脳梗塞になってしまう人が多いのです。 もっといえば、TIAの後、「24時間以内」がさらに危ない。 2週間以内に脳梗塞…
「一過性脳虚血発作(TIA)」の後に起こること 「一過性」のTIAでは、たまたま運が良く、その血栓が流れました。 では、「もう安心か?」といえば、まったくそんなことはありません。 むしろ、次にはもっと大きな「脳梗塞」がやってくる前兆と考える必要があり…
「一過性脳虚血発作(TIA)」は脳卒中の究極の前兆 脳梗塞の“究極の前兆”とでもいうべき症状について、お話したいと思います。 もっとも知ってほしいことの一つです。 それは「一過性脳虚血発作」というもので、日本語の病名が長いので、通常英語の略語で「TIA…
脳卒中かなと思ったら「アクト・ファースト(ACT FAST)」で即判断 手足がしびれたり、ものが二重に見えたり、言葉がうまく出てこなかったり、物忘れがあったり、体がふらついたり、めまいがしたり……。 こうした“小さな異変”は、日常的に感じているのではない…
脳の血管が「詰まる」「切れる」とは 脳の入り口にある頸動脈は、かなり太くて1センチ以上あります。 さらに平滑筋も血管の周囲にあるので強く、それが切れることはまず、ありません。 また、脳の表面を通っているような血管も、比較的太いので、切れません…
ドロドロの血液が流れると血管も傷む 血液の状態はよく「ドロドロ」「サラサラ」などと表現されます。 もちろん、血液はサラサラと流れていたほうがいいに決まっています。 ドロドロだと流れが悪くなるし、血管にも大きな負担がかかることはイメージできるは…
どんな病気にも前兆は必ずある ある日、あるときを境に、あなたの脳のどこかの血管に血栓が詰まったり、あるいはどこかの血管が破れて出血したりして、脳卒中は発症します。 しかし、その前段階は、実はあなたの体の中で、あなたの知らないうちに、徐々に進…
脳出血を起こす2つのパターン 出血性脳卒中には2種類あります。 「脳出血」と「くも膜下出血」と呼ばれるものです。 どちらも脳の中の血管が切れて出血するという点では同じです。 脳出血は、「動脈硬化」によってもろくなった血管が破れ、脳内に出血するも…
なぜ、若い人が脳梗塞に襲われるのか 若い人を襲う脳梗塞には、大きく分けて3つのグループがあります。 この3つでかなりの割合を占めます。 1 動脈硬化以外の血管の異常がある人 2 血管の収縮が強い人(血管の収縮を「攣縮(れんしゅく)」といいます。痙攣して…
心原性脳塞栓症が増えている理由 心原性脳塞栓症は心臓に原因がある脳梗塞で、近年ではとても増えており、おそらく近い将来にはこのタイプの脳梗塞がいちばん多くなると思われます。 原因で圧倒的に多いのは「心房細動」という不整脈です。 この「心房細動」…