慢性痛は「脳」を変えてしまう

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慢性痛は「脳」を変えてしまう
 
痛みに対する認知が変わることが、慢性痛に大きく関わっています。
 
慢性痛は、繰り返し繰り返し急性化(発作)が起こります。
そのため、痛みの経験が記憶の奥に層をなして積み重なっていきます。
と同時に、「痛みによって今までできたことができなくなった」「自分はどうなるのだろう」「つらい」「苦しい」といったネガティブな感情がつけ加わって、痛みがいっそう強固なものになり、頭から引きはがせなくなっていきます。
 
痛みに執着し、痛みから逃げられなくなっていくのです。
 
慢性痛には波がありますから、あまり痛くないときもあるのですが、痛みにとらわれているために、「そういえば、この前痛かった」ではなく、「いつも痛い」と感じてしまいます。
実際に、患者さんに「今痛いですか?」と尋ねると、たいていの人は「痛い」と答えますし、「今の痛みはいくつですか?」と尋ねると、「10」と答える人もいます。
客観的には、この「10」は「死んだ方がマシなほどの傷み」ですから、歩いてクリニックに来られる状態ではありません。
けれども患者さんにとっては10の痛みがあるわけで、これは“気のせい”ではないのです。
痛みに対する認知が健常時と変わっているためで、患者さんの主観のなかでは、本当に10の痛みがあるのです。
 
さらに最近、痛みが繰り返し起こることで、脳そのものが変容することがわかってきました。
痛みは、手先などの末梢から、脊髄を経て、脳に達するという仕組みです。
これは急性痛も慢性痛も同じです。
ところが慢性痛では、痛みやそれに伴う不安などの“ストレス”を受け続けることによって、脳の扁桃体が過敏になったり、前頭前野や海馬が萎縮してしまったりするらしいのです。
 
扁桃体」は、不安や恐怖を感じると反応し、ストレスホルモンを分泌させ、交感神経を興奮させるなどします。
前頭前野」は、高度な精神機能を担い、感情や行動を抑制するなどの働きをします。
「海馬」は、記憶などに関わっています。
 
これらが変容することによって、本来ならば痛みと感じないことを痛みと感じたり、大きな不安や恐怖を感じたり、それによって身体が激しく反応してしまったりします。
 
すなわち、“脳が痛みを作る”状態になるのです。
「天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法 より」
 
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ビタミンB群が不足するとエネルギーを生み出すことができず、疲れがなかなか回復しなくなったり、細胞の修復機能がダウンして、肌荒れや口内炎が治りにくくなったりするのです。
 
なかでも注目が、ビタミンB12です。
古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
 
ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。
脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
ビタミンB12の働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があり、実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれにもおすすめです。
 
ビタミンB12の働き
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