脳卒中から歯周病まで、多種多様な「気象病」がある―1.虫垂炎

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脳卒中から歯周病まで、多種多様な「気象病」がある―1.虫垂炎
 
まずは意外な病気から。
虫垂炎(盲腸)は、晴天の日の方が重症化するとされています。
これは、「天気のいい日は、重症型の虫垂炎患者が出て緊急手術が必要になり、ゴルフにいけなくなることが多い」と気づいた消化器外科医・福田稔先生が、知り合いの新潟大学医学部教授の安保徹先生に「なぜだろう?」と話したことから始まった共同研究によって、明らかになりました。
 
「なぜか?」をひと言でいえば、「晴れた日と天気の悪い日では、増加する白血球の種類が異なるから」です。
 
そもそも虫垂炎とは、なんらかの理由で虫垂にウイルスや細菌などが増殖してしまい、白血球が集まってきてそれらを攻撃し、炎症を起こした状態です。
このとき、天気の悪い日すなわち低気圧のときには主に「リンパ球」という白血球が、晴れた日すなわち高気圧の日には主に「顆粒球」という白血球が、ウイルスや細菌に感染した組織を攻撃します。
というのは、リンパ球は副交感神経に支配されていて、副交感神経は低気圧のとき優位に働くから。
そして、顆粒球は交感神経に支配されていて、交感神経は高気圧のとき優位に働くからです。
 
リンパ球は攻撃能力があまり高くないのですが、顆粒球は攻撃能力が高いため、顆粒球が優位の晴れた日に虫垂炎になると、どんどん炎症が進みます。
リンパ球が優位な日なら抗生剤で、俗にいう“盲腸を散らす”こともできるのですが、顆粒菌が優位だと、増殖した顆粒菌が組織を激しく攻撃し、組織が壊死して虫垂に穴が開き、細菌が腹腔内に飛び散って重症化します。
手術せざるをえない状態になってしまうのです。
「天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法 より」
 
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ビタミンB群が不足するとエネルギーを生み出すことができず、疲れがなかなか回復しなくなったり、細胞の修復機能がダウンして、肌荒れや口内炎が治りにくくなったりするのです。
 
なかでも注目が、ビタミンB12です。
古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
 
ビタミンB12は水溶性ですが、脂肪成分と馴染みやすい構造を持っています。
脳はタンパク質とともに脂肪成分を多く含む器官です。
そのためビタミンB12は血液脳関門を通過できるという特徴を持った貴重な栄養素なのです。
ビタミンB12は、体にとって重要なタンパク合成と核酸(DNA)合成を司る栄養素です。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
現在、ビタミンB12は神経ビタミンとしての認識が一般的となっています。
末梢神経の不調はもちろん、中枢神経の機能低下にも有効であることが明らかになっています。
ビタミンB12の働きとしては、成長を促進し、子供の食欲を増進させる、エネルギーを増大させる、脂肪・炭水化物・タンパク質が適切に使われるようにする、集中力・記憶力を高めて精神を安定させる、などが挙げられます。
また、神経細胞内の表面の脂質膜の合成にも関与しており、末梢神経の傷の回復にも効果があり、実際、腰痛などの治療にも採用されています。
腰痛や肩こり、手足のしびれにもおすすめです。
 
ビタミンB12の働き
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