糖尿病の基礎知識テスト

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どのくらい知っていますか?糖尿病の基礎知識テスト

いまや国民病ともいわれる糖尿病ですが、
いったいどんな病気なのか、案外知らない人が多いようです。
まず正しい知識を持つことが予防にもつながります。
どれくらい基礎知識をもっているか、テストしてみませんか。

【糖尿病の基礎知識テスト】
以下の問題に○か×のいずれかで答えてください。
Q1 糖分をとりすぎると糖尿病になる。
Q2 やせている人は糖尿病の心配はない。
Q3 家族や親戚に糖尿病の人がいなければ、糖尿病にかかる心配はない。
Q4 糖尿病は自覚症状がないので発見されにくい。
Q5 糖尿病を最も正確に診断するのは、尿の糖分を測定することである。
Q6 「糖尿病予備軍」はまだ糖尿病ではないので、安心してよい。
Q7 人工透析を受ける原因で最も多いのは糖尿病性腎症である。
Q8 糖尿病の人は脳卒中心筋梗塞を起こしやすい。
Q9 糖尿病は薬を飲めば治る。
Q10 子どもや若い人は糖尿病の心配は無用である。

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【回答と解説】
Q1 ×「インスリンの作用不足でつねに血糖値が高くなるのが糖尿病です。」
糖尿病は、一言で説明すると血液中のブドウ糖の量(血糖値)が正常よりも多くなる病気です。その直接の原因は、じつは糖分のとりすぎではありません。血糖値が高くなりすぎるのは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞で作られ、血糖値を下げる働きをする「インスリン」というホルモンの作用が不足するからです。
インスリンの作用不足が起こると血液中のブドウ糖がうまく処理できなくなってしまい、つねに血糖値の高い状態が続くようになります。これが糖尿病です。

Q2 ×「やせているからといって、糖尿病にならないというわけではありません。」
インスリンの作用不足には2つの原因があります。
1つは膵臓からのインスリン分泌量が低下する「インスリン分泌低下」。そしてもう1つは、インスリンが分泌されても、肝臓や筋肉などの組織での働きが悪くなる「インスリン抵抗性」と呼ばれるものです。
これらは、肥満や運動不足、食べすぎといった生活習慣の乱れによって引き起こされます。しかし、もともと遺伝的にインスリン分泌量が少ない人、あるいはインスリン抵抗性の体質の人がいるのです。その人たちは、たとえ肥満にならなくても糖尿病を発症する可能性があります。

Q3 ×「糖尿病には遺伝的要因と環境要因の両方が関係しています。」
糖尿病発症において遺伝的要素は重要で、両親が糖尿病だという人の50%は糖尿病を発症します。しかし、残りの50%の人は発症しないという計算になるので、遺伝的要素のある人でも生活習慣に気をつければ糖尿病の発症を予防することは不可能ではないといえます。
反対に、両親が糖尿病でなくても、食べすぎや運動不足が原因で肥満になり、糖尿病を発症する人もたくさんいます。日本では、この40年で糖尿病患者が約3万人から700万人以上にまで激増していますが、その大きな原因は、社会が豊かで便利になり、人々の生活習慣が変化して肥満が増加したことにあると考えられています。

Q4 ○「糖尿病の怖さの一つは、自覚症状がないことです。」
糖尿病は、発症から数年間は自覚症状がほとんど出ません。糖尿病の典型的な症状には、多尿、口渇、多飲、体重減少などがありますが、このような症状が見られるころには、病気は相当進行しています。症状が出てから病院に行くのでは遅すぎるのです。早期発見に努めましょう。

Q5 ×「糖尿病を診断するには血糖値の測定が必須です。」
糖尿病という病名は、その昔、甘いみつのような尿が大量に出る病気という意味でつけられました。しかし、現在では糖尿病の診断に尿糖検査は用いません。確実に診断するには血糖検査が必須です。

Q6 ×「まだ予備群だからだいじょうぶ。と安心してはいけません。」
糖尿病予備群は、糖尿病発症の一歩手前です。いつ発症してもおかしくないので、早急かつ真剣に生活習慣の改善に取り組むべきです。糖尿病は一度発症すれば、完治はむずかしく、一生つき合わなければならない病気ですが、予備群の段階ならば、まだ健康体に戻れるチャンスはあります。

Q7 ○「人工透析を受ける最も多い原因は糖尿病性腎症です。」
高血糖は末梢神経と毛細血管に悪影響を及ぼすため、糖尿病を発症して長い年月がたつと、足の神経、目の血管、腎臓に障害が起こります。それが、「糖尿病性神経障害」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」です。これらの合併症では、場合によっては下肢切断、失明、人工透析の導入など、社会生活に大きな支障が生じます。

Q8 ○「糖尿病になると、脳卒中心筋梗塞になる確率が高まります。」
糖尿病患者は高血圧、脂質異常症、肥満などの危険因子をあわせ持つことで動脈硬化が促進され、脳卒中心筋梗塞を起こしやすくなります。欧米では、糖尿病患者の直接死因の40~50%が心筋梗塞で、日本でも虚血性心疾患を直接死因とする糖尿病患者が増加しています。また、糖尿病患者や予備軍の人が脳梗塞を起こす危険性は非糖尿病患者の2~4倍高くなるといわれています。
ほかにも、糖尿病やその予備軍の人はそうでない人よりがんやアルツハイマー病になる危険性が高いことがわかってきました。

Q9 ×「薬を飲んでも治せません。食事と運動が治療の基本です。」
残念ながら糖尿病は治りません。では、なんのために治療を行うのかというと、合併症の発症や進行を阻止し、健康な人と変わらないQOD(生活の質)の維持、および寿命を確保するためです。
糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法ですが、それだけではコントロールすることがむずかしい場合には薬物療法も組み合わせます。しかし、薬を飲めば食事療法が不要になるわけではありません。食事療法のポイントは、自分の適切なエネルギー量を知り、食べすぎに注意しながら栄養バランスよく食べることです。

Q10 ×「糖尿病は子どもや若い人にも増加する恐れがあります。」
子どもや若い人に肥満が増えていることから、糖尿病は増加する傾向にあると考えられます。ただし、子どものうちに糖尿病の発症まで行くケースは現在のところそれほど多くはなく、糖尿病予備群のような子どもが増えているという状況ではないかと思われます。
子どものうちに正しい生活習慣を身につければ将来の糖尿病予防につながります。とはいえ子どもの生活習慣改善は簡単ではありません。子どもだけでなく、まわりの大人たちもやる気にならなければその子の生活を変えることはとうてい不可能だからです。子どもの肥満に関して、大人たちはもっと関心を持つべきです。
(栄養と料理 より)

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