体力を維持すれば脳も衰えにくい

イメージ 1
体力を維持すれば脳も衰えにくい
 
脳の働きといっても、体の働きと連動しているのですから、体が悪くなって、脳だけ健康というわけにはいきません。
体が健康でなければ、脳の働きも落ちていきます。
 
脳をなるべく老化させないためには、体力がいかに大切かということを中心にしてお話しすることにしましょう。
 
体力といっても、大きくは二つに分けられます。
一つは、「行動体力」といいますが、体を動かしたり、運動したり、それを続けるときに必要な力で、筋力、瞬発力、平衡性、敏捷性、柔軟性、筋持続力、全身持久力などです。
私たちが普通「体力」と呼んでいるのは、どちらかといえば、この「行動体力」のほうです。
 
もうひとつは「防衛体力」です。
免疫力、生理・心理的変化に対する抵抗力などです。
病気やストレスなど、外部からの様々な刺激に対する抵抗力や免疫など、体を守り生命を維持していくための能力が「防衛体力」ということです。
 
「行動体力」の基礎は「全身持久力」です。
「スタミナのある人」などといわれますが、これは持久力がある人のことで、最近では、全身持久力が高いことが私たちの生命を維持する上ではとても重要なことだと考えられるようになっています。
 
この全身持久力を支えている基本が「最大酸素摂取量」です。
 
たとえば、私たちは日常生活で、通勤・通学で、電車やバスで長い間立っていたり、歩いたり、階段を上り下りしたりします。
そのような日常の活動で、疲れを感じずに、もちこたえる力が全身持久力です。
 
健康で長生きできるのは全身持久力がある人です。
 
「行動体力」と「防衛体力」は、それぞれ別のものではなく、かかわりがあります。
「全身持久力」が高ければ、呼吸循環系の機能も高く、さらには内分泌系の機能もすぐれているので、免疫力などの防衛体力も高いことになります。
 
ですから、まず大事なのが全身持久力を支える「最大酸素摂取量」です。
もうひとつ「行動体力」を支える大事なものが「筋力」です。
 
ところが、この最大酸素摂取量と筋力は、放っておけば、年齢とともにどんどん下がっていきます。
日常の行動も、筋力が弱くなったら、目に見えて落ちます。
 
そして、最大酸素摂取量が下がるということは、体を維持する全身持久力が落ちるだけでなく、脳力も下がることになります。
脳は糖分と酸素を必要としていて、それで活動しています。
脳に酸素の供給量が減れば、脳の活動も鈍ります。
当然、脳のパワーも下がることになります。
 
年をとっても体力をできるだけ維持することが、体も脳も老化させないために必要なことなのです。
 
       体力には行動体力(筋力など)と防衛体力(免疫力など)がある
       行動体力の基本は全身持久力で、これを支えているのは最大酸素摂取量
       酸素を摂取する力が衰えると、脳は力を発揮できなくなる
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣 より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
≪ビタミンB12で脳の機能低下防止と対策!≫
 
筋肉が動くように脳から指令を伝える神経が、正常に働くためには、いくつものビタミンB群の仲間が必要です。
筋肉や神経を動かすエネルギーをつくるのがB1神経伝達物質の生成にはたらくのがB6、そしてB12の役目は、神経細胞内の核酸たんぱく質などを合成したり、修復することにあります。
どのビタミンが不足しても神経は正常に働いてはくれません。
 
脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成、核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。
このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。
熟年の人達が正確で、いろいろな状況下で“成熟した”判断を行い、好ましい結果を得ることができるのは、そのためであろうと思います。
高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12であります。
 
現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12について