抑制力の低下は、集中力・記憶力・思考力の低下も招く

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抑制力の低下は、集中力・記憶力・思考力の低下も招く
 
感情系に対して思考系が優位である状態を確立できなければいけない
 
人は通常、子どものうちに、親からの躾などによって、その力を身につけます。
それが学校や社会でさらに鍛えられ、意思や理性と呼ばれる力が充実してくる。
感情系の快・不快の判断から離れて、ある程度自由に考えたり、行動したりできるようになってくるわけです。
 
ところが、この力も筋力と同じで、維持するのは簡単ではありません。
大人になっても十分に身についていなかったり、悪い環境に長く身を置いて悪習慣を続けた結果、弱体化させてしまっていたりする場合がよくあります。
 
その結果起こってくるのは、「我慢強さがなくなる」ということだけではありません。
 
次のようなことにも影響が出てくるはずです。
 
●集中が続かなくなる。
●思い出す力が低下する。
●理解力が低下する。
●思考力が低下する。
 
「集中が続かなくなる」のは、すぐ快な方へ、楽な方へ引っ張られてしまい、それに抗えなくなるためです。
面倒なことを長く続け、集中して取り組むことができなくなってしまう。
これは覚醒水準を上げることによって補えるとしても、限度があります。
 
「思い出す力が低下する」ということに関しては、次のような場面を想像して下さい。
 
記憶は、直感的に引き出せるものばかりではありません。
自分で頭の中にヒントを並べ、粘り強く思い出そうとしないと出せない記憶も、脳の中にはたくさんあります。
 
抑制の力が低下すると、それを思い出す手続きに耐えられなくなり、つい簡単に思い出せる記憶ばかり引き出してしまう。
 
そういうことを長く続けた結果、さらに思い出す力が低下して、同じことばかりを思い出すようになる、ということが起こると考えられます。
 
「理解力が低下する」のは、人の話を聞いたり、長い文章を読んだりすることに耐えられなくなるためです。
いい加減に聞いたり、読んだり、情報のつまみ食いのようなことばかりするようになり、一つのことに対する理解が深まっていかなくなる。
 
「思考力が低下する」のも同じような理由からです。
頭の中で、言葉や思考を長く組み立てることに耐えられなくなり、細切れの思考しかできなくなる。
長い話をしたり、長い文章を書いたりすることが苦痛になり、単語的な発想ばかりするようになってしまう。
 
つまり、抑制の力が低下すると、理性的な脳の働きが全て落ちるのです。
「脳から自分を変える12の秘訣 「やる気」と「自信」を取り戻す より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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