「実行できない」「ついやってしまう」「やめられない」

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「実行できない」「ついやってしまう」「やめられない」
 
「抑制の力が落ちている」というのは、次のようなことだと考えて下さい。
 
やらなければいけないと分かっていることを、なかなか実行できない。
やってはいけないと分かっていることを、ついやってしまう。
やめなければいけないと分かっていることを、なかなかやめられない。
 
つまり、快を求め、不快を避けようとする感情系の要求を制することができなくなりつつある、ということです。
 
意志が弱くなっている、ということだと考えていただいてもかまいません。
 
「強い脳」である感情系が思考系に影響を与えている
 
脳には大きく分けて、「思考系」と「感情系」という2つの機能系が存在しています。
 
思考系の中枢は大脳新皮質(大脳)、感情系の中枢は大脳辺縁系(辺縁系)です。
 
脳における両者の位置関係は、脳のより中央に近いところに辺縁系があり、それを覆うように大脳が存在している。
 
医学的な厳密さを求められる場面でここまで大胆な分け方をするのは少し問題があるのですが、一般の方が脳の自己管理に役立てるために理解するなら、シンプルな方がいいでしょう。
 
脳の中で、思考系と感情系の中枢は別にあり、両者が影響を与え合っている。
 
まずそういうイメージを持っていただくと、脳の話は分かりやすくなります。
 
より原始的な動物から人間に至る進化の過程で脳を考えた場合、感情系の中枢である辺縁系は、思考系の中枢である大脳に先駆けて形成されています。
大脳は、人間になってから飛躍的に発達した領域で、「人間を人間たらしめている脳」と言ってもいいでしょう。
それに対して辺縁系は、「より原始的・動物的な脳」と言えるかも知れません。
 
また、これは外科医として多くの患者さんの脳を診てきて実感していることですが、辺縁系は大脳に比べて「強い脳」です。
脳が衰えていくときにも、感情系の機能はなかなか落ちない。
その強い感情系が、健康な人の脳でも、思考系に絶えず影響を与えている。
両者はそういう関係にあると理解して下さい。
「脳から自分を変える12の秘訣 「やる気」と「自信」を取り戻す より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
神経伝達物質の材料になる成分を補うことが大切です
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。

脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
 
ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
ビタミンB12は腸で吸収されます。
しかし、その前に胃の内因子と結合することで吸収される状態を作っているため、胃を切除している人などの場合は、胃の内因子なしで吸収されるために大量のビタミンB12を補給する必要があります。
胃の粘膜が萎縮している人や、胃の働きが弱い人も同様です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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