「S欠乏脳」-⑧タバコはすぐにやめなくてよいが、酒はすぐに!

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「S欠乏脳」-⑧タバコはすぐにやめなくてよいが、酒はすぐに!
 
医者の立場で、「タバコは吸っていてもいいですよ」などと本に書くと、良心を疑われます。
一般的な開業医から、がん・脳卒中認知症・心臓病の専門医までが、「適量のお酒は良いが、喫煙は百害あって一利なし」と口をそろえることでしょう。
 
しかし、「S(セロトニン)欠乏脳」の場合、これが当てはまらない場合があります。
 
今までタバコを吸っていなかった「S欠乏脳」の方は、問題ありません。
このまま一生、タバコに手を出さないでください。
 
ただし、「S欠乏脳」で喫煙者の方は、禁煙に踏み切るタイミングの見きわめが必要です。
「S欠乏脳」の方で飲酒も喫煙もなさる方は、まずはお酒からやめてください。
タバコはその後、ゆっくりやめればいいのです。
 
酒にはストレスを緩和させる作用や人とのコミュニケーションを円滑にさせる効果があります。
 
さらに、「酒は百薬の長」といわれ、適度の飲酒は健康の維持に役立ち、長寿をもたらす効果もあります。
受動喫煙のような問題もないだけに、喫煙に比べて市民権が得られています。
 
しかし、「S欠乏脳」の方の場合、直今の健康を考えると、実は飲酒のほうが喫煙よりも質が悪いのです。
 
「S欠乏脳」の方が「疲れをとるため」「痛みを忘れるため」「憂さを晴らすため」「眠るため」「酒でも飲まないとやってられない」というノリで飲酒するのは危険です。
 
時に、純粋に酒を楽しむだけに適量を飲む場合は問題ありません。
しかし、体調不良から逃れるため、「○○のために飲む」という行動は、すでに「アルコール依存症」なのです。
 
この飲酒習慣が怖いのは、実際に飲酒によって少し心身が楽になったと感じてしまうことにあります。
酒を飲むと、「疲れがとれた」「痛みを忘れた」「憂さが晴れた」「よく眠れた」気がします。
 
しかし、根本的な健康問題が解決しているわけではないので、その効果は一過性です。
虫歯ができているのに鎮痛剤を飲んでいるようなものです。
 
そして、すぐにその麻薬の効果は薄れてくるため、回数を多く飲む、多量に飲む、と次第に酒量が増えていきます。
そして、本格的なアルコール依存症になって心身を蝕んでいきます。
「不眠」だけだったはずなのに、頭痛も出てきたり、やたらイライラしたり……。
 
ちなみに「酒を飲むとよく眠れる」というのは錯覚です。
アルコールには入眠作用はありますから、確かに「寝付き」はよくなります。
しかし、アルコールは、数時間もすれば覚醒物質に分解されます。
深酒をした時には、朝早く目が覚めてしまうのはこのせいです。
 
飲酒に頼った睡眠は浅い眠りであり、「良質な睡眠」とはいえません。
 
酒を飲まないと体調不良で辛い場合は、すでにご自分の力で健康を維持できるレベルを超えています。
かかりつけ医に相談してください。
 
長い目で見れば、「ニコチン依存症」は克服すべき病気です
しかし、「S欠乏症」の方にとって、喫煙が体調を維持している最後の砦になっていることがあります。
 
 もちろん、その状態は、「アルコール依存症」と同様のメカニズムによる「ニコチン依存症」なのですが。
 
 しかし、「S欠乏脳」の方が、直近の健康を取り戻すために、酒をやめ、生活習慣を改善していく努力をしている時、喫煙が必要な場合もあります。
医療用の禁煙補助剤の注意書きにも、「精神的に大きな問題を抱えている場合は慎重に投与するべし」と記されています。
 
 「S欠乏脳」の場合、ある程度、ストレスの回避に成功して体調も回復傾向にある時、いわゆる「ひと息ついてから」が禁煙のタイミングになります。
 
 酒がやめられないと、結局、禁煙も成功しません。
 
 酒を飲む人で禁煙を続けていた人が失敗(再喫煙)してしまうのは、ほぼ100%、酒の席です。
宴会で酒が入り、まわりがタバコを吸い、しかも、ストレスを感じる苦手な相手でも同じ場にいようものなら、「1本くらい、いいか」となってしまいます。
 
 体調不良、憂さを晴らすための飲酒習慣はとても危険!
 
自己診断⇒105日記事:ステップ2 あなたの脳に不足しているのは「A(アセチルコリン)」ですか?「S(セロトニン)」ですか?
「もの忘れとウツがなくなる「脳」健康法 より」
 
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木枯らしと孤独が骨身に染みる秋が深まるとなんとなく悲しい気持ちになるといわれていますが、はたして秋の物悲しさには医学的な根拠はあるのでしょうか?

 なんと季節の変化が引き起こすうつ病が存在するというのです。
エアコンの使用が一般的になり夏に体が冷えてしまうなど季節の変化に対応しにくくなった現代人。
季節性うつは自然な生活リズムを崩してしまった人がかかりやすい病気なのだそうです。

 「なかでも10月から3月頃にみられる冬季うつは、過食、過眠なども主な症状としてあげられます。秋になり日照時間が短くなることで、メラトニンというホルモンの分泌に異常が起こり体内時計が狂ったり、神経伝達物質セロトニンが減ることによる脳の活動低下が原因と考えられています」

 うつ病は、今やサラリーマンの3割近くに見られ、「心のかぜ」ともいわれるほどポピュラーな病気になりました。
原因としては、精神的なストレスのほか、コンピューターによるテクノストレスや、テレビやゲームなどによる眼精疲労などが元になることもあります。
 
また、脳内の神経伝達物質であるセロトニンノルアドレナリンが減少したり、視床下部や下垂体といった脳の機能の異常なども、原因として考えられています。
 
不足している栄養素がないよう食生活の乱れに注意したり、パソコンなどを使いすぎないように気をつけたりといった、生活全般を見直してみることが必要です。
 
うつ症状の予防や軽度の場合の改善に役立つのは、ハーブの一種であるセントジョーンズワートです。
有効成分のぺルリフォリンに、脳内の神経伝達物質セロトニンを増加させる働きがあるため、おちこんだ気分を回復して、気持ちを適度に高揚させてくれます。
 
そのほかには、神経伝達物質セロトニンの材料となるトリプトファンや、セロトニンなどの生成に必要なビタミンB6・B12葉酸などのビタミンB群を補給します。
 
トリプトファンアミノ酸の一種で、牛乳や肉(赤身がいい)などのたんぱく質に含まれています。
ビタミンB6は、かつお、まぐろ、さけなどの魚類、牛肉、鶏ささ身、レバーなどに多く含まれています。
ビタミンB12はレバーや魚介類に、葉酸はレバーのほか、菜の花、モロヘイヤ、春菊など緑の濃い野菜に多いです。
また、イチョウ葉に含まれるギンコライドやケルセチンなどのポリフェノールは、脳の血液循環をよくして、脳を活性化します(お茶などでとるのがおすすめです)
 
 加えて、散歩など屋外で体を動かす機会を増やすと、気分のおちこみを軽減しやすくなります。
 
 ただし、軽度のおちこみだけでなく、うつの症状がみられるときは、まず病院で検査を受け、治療と並行して、これらの食事療法を行ってください。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
日常の生活習慣や生活環境を改善するとともに栄養面を改善することが大切です。
 
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