食卓は人間らしさもつくる

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食卓は人間らしさもつくる
 
昔は、家族そろって夕食をとる習慣があり、楽しく話をしながら食べたり、「お行儀が悪い!」などと叱られながら、また兄弟げんかをしながらも、わいわいとにぎやかに、食べていたものです。
 
ところが今は、家族の食事時間はばらばらです。
父親は、夜は宴会や残業続きで、家で食事をしないのが当たり前です。
母親も仕事を持っていて帰りが遅い場合など、子どもは一人で夕食をとることもよくあります。
なかにはコンビニエンスストアで好きなものを買って食べる子どももいるようです。
 
そのような状況では、食事をしながら1日の出来事を話すというようなことはないでしょう。
 
まして、子どもも親も、祖父母も孫もいっしょになって、同じ話題を話すというようなことは今の日本ではほとんどなく、これでは受け継いできた文化などを伝える術がありません。
 
アメリカでの経験では、子どものしつけはほとんど食事のときに行われているという印象を受けています。
お客さんがきたときだけでなく、日常の食卓で、他人への配慮を持って振る舞うためのマナーが教えられています。
何かしてもらったときには「サンキュー」。
手がぶつかったりすると「エキュスキューズ・ミー」と言うのです。
 
私のまわりには、人と目が合えばとてもやさしく、親しくほほえみかける人たくさんいます。
そういう人を見ると、きっとおだやかで、愛情いっばいに育っているのだな、と思います。
家族みんながいつもお互いにほほえんでいるような、すてきな家庭だったのでしょう。
 
そんな人なら、歳をとって、だんだん表情が険しく、かたくなになっていく人が多いのですが、いつまでもすてきにほほえみかけてくれるにちがいありません。
 
最初は努力でそのようなマナーを身につけていきます。
しかし繰り返しているうちに、思いやりがその人の性格になります。
ほほえみがその人の表情になります。
 
日本では、食事のマナーどころか、食事の時間が楽しいものだということを知らない子どもも多いのではないでしょうか。
子どもが一人で、冷たい食事を前に食卓につく様子を想像すると悲しくなります。
相手がいなければ、ほほえむこともできません。
こうした家庭に育つ子どもは、表情も乏しいと思います。
 
家庭の食卓は、子どもの体に影響を及ぼすだけではありません。
本当の意味での人間らしさもつくります。
「生きるのが楽しくなる 15の習慣/日野原重明 より」
 
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ビタミンB12は、もともと悪性貧血を防ぐビタミンとして知られています。
血液細胞が正常につくられるには、ビタミンB12が必要だからです。
それと同時に、脳神経系の働きにも深くかかわっています。
 
根本的な作用に目を向けると、ビタミンB12は、体内のすべてのたんぱく質を修復する働きを持っています。
とりわけ、脳や神経の修復には、ビタミンB12が不可欠なのです。
 
脳や神経が働くときは、神経線維同士の間を情報伝達物質というものが行き来します。
二本の神経線維で一単位となるその部分は「シナプス」と呼ばれます。
シナプスが豊富できちんと機能している場合、脳や神経の働きはよくなります。
 
ところが、年齢とともに、あるいは認知症などの病気によって、シナプスは次々にこわれていきます。
ビタミンB12には、そのこわれたシナプスを修復する作用があるのです。
 
また、脳の萎縮を防止するには、脳細胞の蛋白合成、核酸合成が順調に行われることが好ましいのです。
ビタミンB12は、蛋白合成と核酸合成の両方に役立っていることがわかっています。
 
一般にビタミンB類は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。
 
現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
また、高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
 
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