「若々しい血管」 2つの条件
血管年齢だけでは本当の力が測れません。
血管年齢検査では初期の動脈硬化が見逃されやすいからです。
動脈硬化の初期段階では、血管そのものは硬くなっていなくて、やわらかいコブができます。
こうした状態の場合、血管のしなやかさ(硬さ)を測る血管年齢検査では、「若い」と評価されてしまいます。
逆に、寝不足やストレス、緊張などで一時的にキュッと血管が収縮していると硬くなるので、血管年齢は高く出ます。
タイヤのゴムにパンパンに空気を入れたら、硬く感じますね。
それと同じで、素材そのものが硬くなっていなくても、そのときの状態によって硬くなるのです。
ですから、普段の診療のなかで血管年齢をみるときには、10~15分くらいじっと座ってもらって、リラックスしていただいてから測るようにしています。
そして、「血圧は高くないですか? 寝不足じゃないですか?」などと確認してから、結果を評価します。
こうしたズレがあるので、「あなたの血管が本当に若いのか、老化してしまっているのか」を知るには、血管年齢だけでは足りないのです。
「血管が若い」と言うには、次の2つのポイントが大事だと考えています。
1 血管全体がしなやかであること
2 血管の内側がなめらかで、血液をスムーズに循環させることができること
この両方を合わせた力を、「血管力」と呼んでいます。
血管年齢は、1のしなやかさを測る検査です。
2を測るには、別の検査が必要です。
これが「頚動脈エコー検査」です。
これは、首の動脈(頚動脈)に超音波をあてて、動脈の状態を調べるというもの。
血管の内側にコブができていないか、血管の内腔が狭くなっていないかなどを観察することができます。
もちろん、まだやわらかいコブでも見つかります。
血管を若返らせるとは、つまりは、血管力を高めるということなのです。
血管年齢の結果だけで一喜一憂するのではなく、ぜひ両方のポイントをみてください。
「人は血管から老化する より」
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「老化」と聞いたとき、どんな変化を思い浮かべますか?
顔のシミやシワ、老眼、体力の衰え……。
それらももちろん老化の1つですが、根本的な老化とは「血管が衰えること」です。
わかりやすく言うと、血管の衰えとは「動脈硬化」のことです。
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
また、一般にビタミンB群は協力して働いているため一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
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