脳梗塞の3つのタイプ

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脳梗塞の3つのタイプ
 
 ひと口に「脳梗塞」といっても、主に3つのタイプがあります。
 
ラクナ梗塞
・心原性脳塞栓症
 
ちなみに、この3つの脳梗塞の患者さんの割合は、それぞれ3割ほど。
合わせて9割です。
残りの1割は、ほかの原因による脳梗塞です。
 
特に名前まで覚えることもないと思いますが、だいたいどんなものか、ざっくりとイメージしてみてください。
 
脳が働くためには、血液が必要です。
血液は酸素や栄養を含んでおり、それを脳に届けます。
ところが、脳梗塞によって血管が詰まると、その先にある脳の細胞に、酸素や栄養が届かず、「神経細胞」が死んでしまう。
これを「壊死」といいます。
 
ご存じのように、脳は、体を動かしたり、物を見たり、聞いたり、話したり、考えたり、感じたりなど、体のあらゆる働きを司っています。
全身の“司令塔”ともいえる存在です。
そして、脳からの指令を伝えるのが「神経細胞」です。
 
脳の血流が途絶え、神経細胞が死んでしまうと、その部分が担当していた部位が働かなくなります。
脳卒中で手や足が動かなくなったりするのは、このためです。
 
脳梗塞の3つのタイプについて、簡単に紹介しましょう。
 
「アテローム血栓脳梗塞は、脳の太い動脈が詰まるタイプです。
このため、血液が届かなくなる部分が大きくなり、死んでしまう神経細胞も多くなります。
 
壊死する範囲が広いため、体の多くの機能が失われ、右半身か左半身のどちらかの片麻痺や、同じく、体の左右どちらかのしびれのほか、言葉が話せなく、手足が使えなくなったり、ものがわからなくなったりします。
 
このタイプの主な危険因子は、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙、メタボリック症候群などで、その根底は、やはり生活習慣なのです。
最近、食生活の欧米化により、このタイプの脳梗塞が増えており、脳梗塞のうちでもっとも多くなっています。
 
ラクナ梗塞」は、脳の深い部分にある細い動脈が詰まるタイプです。
壊死する範囲は直径1.5センチ未満と小さいため、症状は比較的軽めで、体の左右どちらか半身の片麻痺や、片側のしびれが出ます。
意識障害を伴うことはなく、失語、失行、失認などの症状は起こりません。
 
ちなみに「ラクナ」とはラテン語で「小さな穴」という意味。
神経細胞は壊死した後、脳に吸収され、その部分は空洞となります。
脳梗塞で死亡した人の脳には大小の穴が見られますが、それは脳梗塞を起こした痕跡なのです。
 
このタイプの主な危険因子も、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などで、やはり、その根底にあるのは生活習慣なのです。
 
「心原性脳塞栓症」は、心臓でできた血のかたまり(血栓)が、血管を流れて脳に入り、脳の血管を詰まらせるタイプです。
心臓にできる血栓は大きいので、脳の中の太い血管を一気に詰まらせてしまうのが、このタイプの怖いところです。
しかも、前触れもなく、突然、脳の太い血管を塞いでしまうのです。
 
太い血管が詰まるのですから、壊死する範囲も広くなります。
このため、症状も重くなりがちです。
 
以上お話しした3タイプの脳梗塞のうち、近年では「アテローム血栓脳梗塞」とともに「心原性脳塞栓症」も増えています。
 
ちなみに、このほかにも血液が固まりやすくなる「血液凝固異常」や、脳の動脈の「痙攣」、血管壁がはがれる「解離」などによって起こる脳梗塞があります。
脳卒中にならない、負けない生き方 より」
 
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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因の多くが脳梗塞です。
脳梗塞は、初期段階に数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現します。
これが隠れ脳梗塞と呼ばれるものです。
隠れ脳梗塞は早い人だと30代から表れ、40代を過ぎると急に増加すると言われています。
 
人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、ストレス社会に生きる現代人のこれからの健康に役立つ栄養素です。
 
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