動脈硬化はかなり進んでも自覚症状はないが首の動脈のエコー検査で一発でわかる

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動脈硬化はかなり進んでも自覚症状はないが首の動脈のエコー検査で一発でわかる
 
動脈硬化の早期発見こそ血管障害を防ぐ秘訣
 
血管障害の大きな原因は動脈硬化ですが、これは急に起こるものではありません。
昨日はなんでもなかった人が、翌日血管を見たらできていた、というものではないのです。
動脈硬化は長い期間にわたって徐々に進行しますから、大事に至る前に進行を食い止めることが可能でする
 
そのために、動脈硬化の疑いがある人には「頸動脈エコー」を実施しています。
この検査では、頸動脈の硬さや厚み、狭窄の程度を画像で確認して、動脈硬化の進行度合いを判断することができます。
 
頸動脈は、首の横にある太い血管です。
首の左右に1本ずつあり、この血管を通して脳に大量の血液が流れていきます。
 
頸動脈は非常に太いうえ、比較的体の外側に位置しています。
そのため、エコー検査で簡単に状態を確認しやすいというメリットがあります。
 
頚動脈エコー検査では、左右の血管の状態を15分程度かけて見ます。
痛みもなく、横になっているだけなので、体に負担はかかりません。
 
頚動脈を見ることで全身の様子が見える
 
ここで、動脈硬化について少し説明します。
血管は、「内膜」「中膜」「外膜」の三つの層からできています。
 
血管の内側にあり、血液と接しているのが内幕で、その表面は「内皮細胞」というフィルターのような層で覆われています。
内皮細胞には、血液が固まるのを防いだり、血管を拡張させたりする働きがあります。
 
高血圧や糖尿病などで内皮細胞が刺激されて傷つくと、その部分に、コレステロールや脂肪がお粥のような柔らかい沈着物となってたまり、「プラーク」と呼ばれるコブのような塊をつくります。
その結果、内膜はどんどん厚くなります。
 
プラークがある血管は硬く、内腔も狭いので、血流は悪くなり、血管が少し収縮しただけでも血流が途絶えまする
この状態が動脈硬化です。
 
また、プラークは破れやすく、破れるとそこに血の塊(血栓)ができます。
それが血流に乗り、心臓の血管を詰まらせれば心筋梗塞を、脳の血管を詰まらせれば脳梗塞を起こします。
 
動脈硬化を起こしやすい部位はいくつがありますが、その代表的な部位が頸動脈なのです。
そして、頸動脈の血流速度や血流の状態は、全身の血流の状態を反映しています。
さらに、頸動脈の動脈硬化が強いほど、その他の部位の動脈硬化も進行していると考えられます。
 
これらのことから、頸動脈のエコー検査で全身の動脈硬化の有無を判定できると考えられるのです。
 
20代から始まっていても自覚症状はほとんどない
 
自覚症状がほとんどない動脈硬化の危険因子には、糖尿病や高血圧、高脂血症、喫煙、肥満などが挙げられますが、加齢も大きな原因の一つです。
 
実は、内皮細胞への脂肪の沈着は、20歳代ころからすでに始まり、じわじわと進んでいます。
ところが、50歳を過ぎて血管がだいぶ硬くなってきても、自覚症状はほとんどありません。
 
内皮細胞が破れて、血栓で血管が詰まったときに急性心筋梗塞脳梗塞などを起こし、そこで初めて症状が現れるのです。
危険因子を持っている場合は、動脈硬化の進行はもっと早くなります。
 
危険因子を持っている人はもちろんのこと、自覚症状がない人も、50歳を過ぎたら動脈硬化の検査を定期的に受けることをお勧めします。
「血管がぐんぐん若返る最強療法 より」
 
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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
もしビタミンB群のビタミンB12・B6や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
 
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
 
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