「心房細動」による脳梗塞が増えており要注意
ありふれた病気だが放置すると命に関わる
「心房細動」という病名、ご存知でしょうか。
不整脈の一種で、中高年では多くの人に見られる病気ですが、あまり知られていません。
例えば、「メタボ(メタボリックシンドローム)」と聞けば、たいていの人が「肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症が複数重なった状態」とわかります。
心房細動は、これらの生活習慣病と同じようにありふれた病気です。
そして、放置すると命に関わる深刻な事態を引き起こす点でも、メタボと同様に注意すべき病気なのです。
心房細動は「不整脈」の一種で、心拍がてんでバラバラになるのが特徴です。
心臓は「心筋」という特殊な筋肉でできており、その筋肉に規則的な電気信号が流れるのに従い、ギュッと縮んではゆるむ(収縮・拡張)動きを繰り返しています。
この心臓の動きを「拍動(心拍)」といい、健康な成人では、1分間に70回程度のペースで規則正しく行なわれています。
拍動のリズムは、心臓の上のほうにある「洞結節」という部位で発生する電気信号によって作り出されます。
洞結節はいわば、体に備わるペースメーカーのようなものです。
ところが、何らかの理由でこの電気信号の伝わり方に問題が生じ、拍動のリズムが狂ってしまうのが不整脈です。
60歳以上の男性に多い
心臓は、血液をためておく場所の「心房」と、全身と肺に血液を送り出すポンプの役割をする「心室」とに大きく分けられます。
心房細動は、不整脈の一種で「心房が細かく動く」という病名が表すとおり、血液をたくわえる心房が絶えず、細かなさざ波のような不規則な動きを繰り返すようになります。
正常な状態では1分間に50~100回の規則的な電気信号が洞結節で作られ、心房→心室の順に収縮が生じます。
ところが、心房細動では、心房の拍動が1分間に400~500回くらいにもなる小さな動きをくり返し、大きく収縮できないため、血液が心房によどみがちになります。
ポンプである心室の収縮はしっかりしていても、心房の細かな動きの影響を受けて不規則になります。
その結果、心拍がバラバラになるわけです。
これは基本的に問題はなく、心配はいりません。
期外収縮に次いで、2番目に多いのが心房細動です。
心房細動は年齢が上がるにつれて発生率が高くなり、特に65歳くらいから急増します。
80歳以上になると、10人に1人は心房細動が見られます。
また、女性より男性に多く発生します。
患者数は100万人以上と言われていますが、実際にはもっと多いと考えられます。
というのも、心房細動は多くの場合、最初は一過性に生じます。
例えば、「1ヵ月の間に数時間だけ心房細動になるが、ほとんどの間は正常」といって形で、これを「発作性心房細動」と呼びます。
やがて発作時間が長くなり、あるいは頻度が徐々に増え、最終的にずっと心房細動のままになります。
これを「慢性心房細動」と呼びます。
健康診断で発見されるのは、慢性心房細動に移行してからがほとんどです。
その予備群と言える発作性心房細動の人も同程度いるとすれば、200万人ほどいるかもしれないのです。
心房細動がある人は脳梗塞のリスクが5倍
心房細動が怖いのは、脳梗塞を引き起こす原因となる点です。
心房細動のある人は、ない人に比べて、約5倍も脳梗塞になりやすいとされています。
心房細動では、心房内の血流がよどみがちで血液が固まりやすい状態になります。
現在、心房細動が原因で起こった脳梗塞は重症化しやすく、死亡、あるいは重い後遺症が残り、寝たきりや要介護になる危険性が高いのです。
「血管がぐんぐん若返る最強療法 より」
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虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
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