「ゆらぎ」のある環境なら疲れがとれやすい

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「ゆらぎ」のある環境なら疲れがとれやすい
 
 デスクワーク都市部の高層ビルやマンションなどでは、光や風や音など外部からの刺激をできるだけ遮断した人工的な環境づくりが行なわれています。
猛暑や真冬の時期に室内を適温に保つのは疲れにくい方法ですが、過ごしやすい季節であっても、温度などが固定された人工的な環境は、逆に我々の疲労回復を妨げます。
ヒトは、適度な環境の変化による「ゆらぎ」を心地よいと感じるからです。
この「ゆらぎ」が脳疲労を軽減することは、科学的にも証明されています。
 
「ゆらぎ」とは、一定の平均値から微妙にずれた、ある程度の「不規則な規則性」を持つ現象のことです。
風や光、空もようの変化、川のせせらぎ、植物のありようといった自然環境は、つねに「ゆらぎ」に満ちています。
 
自然の一部であるヒトの体にも、「ゆらぎ」があります。
脳波、心拍数、呼吸、体温、血流、血圧などには、よくみるとすべてに「ゆらぎ」があります。
これを「カオス」とも表現します。
脳波のずれが示しているように、神経回路の働き方に「ゆらぎ」があり、同じことを入力しても伝わる信号や出てくる答えは変わります。
絵画で、若い女性にも老婆にも見える有名な「だまし絵」がありますが、あるときは若い女性にみえたのに、次の瞬間には老婆にみえるのは、脳が「ゆらぎ」を持っている証拠のひとつでもあります。
 
疲労との関わりが深い自律神経もまた、「ゆらぎ」のリズムを持っています。
自然環境と生体の「ゆらぎ」が共鳴すると、ヒトは快適さを感じてリラックスします。
緊張や強い刺激で優位になっている交感神経よりも、生体を休息させる副交感神経が優位になるため、ストレスや疲労が軽減されるのです。
 
「ゆらぎ」を感じる代表的な環境として、「森林浴」が挙げられます。
「森林様」で癒やされるのは、そよ風、川のせせらぎ、木漏れ日といった「ゆらぎ」があふれている環境であり、生体の「ゆらぎ」がこれにシンクロするからです。
近くにそういう環境があって身を置くことができれば、疲労回復にはとても有効です。
 
また、「ゆらぎ」のある環境は、動物にとってもリラックスできる環境なのです。
なぜなら「ゆらぎ」のない環境、たとえば森にそよ風がなければ動物は敵のにおいの察知が遅れ、襲撃されるリスクが高まります。
室内で飼っている犬にも、どんなに快適な環境であっても「ゆらぎ」の乏しい室内においては数時間おきに場所を移動する習性が残っています。
自然界の「ゆらぎ」は、ヒトを含む動物が身を守るために重要な要素であり、「ゆらぎ」がない環境は、身の危険を感じるリラックスできない環境なのです。
 
参考まで、「森林浴」の生理的な効果は、樹木が発する香りの成分である「フィトンチッド」、川の急な流れや滝壺などの水しぶきから発する「マイナスイオン」によるものだと言われていますが、実際には「フィトンチット」のリラックス効果は限定的であり、「マイナスイオン」にいたってはその存在自体が疑われています。
現在まで、少なくとも、「マイナスイオン」なる物質がからだの健康面に作用することを示した医学論文はひとつもありません。
「すべての疲労は脳が原因2 より」
 
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からだが疲れやすいのは、エネルギー不足のこともあり、からだにたまった老廃物がうまく代謝されないためでもあります。
ビタミンB1はエネルギーの供給だけでなく、老廃物の代謝にもかかわっています。
 
B1だけではありません。
B2、ナイアシンなどのほとんどのビタミンB群は、エネルギーの供給や老廃物の代謝にはたらいています。
いわば元気の素です。
B群は協力しあっていますから、どれが欠けても疲れやすくなります。
したがっていっしょにとるのが効果的です。
 
寒暖の差、生活の変化が激しい毎日は、私たちの身体にも大きなストレスを与えます。
そんな日々が続くと、自律神経は、その変化に対応しきれなくなって、やがて疲れやめまい、不眠、頭痛といった症状が現れてきます。
自律神経を整えるためには生活リズムを作るとともに栄養面も非常に大切です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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