太陽光でセロトニン神経は活性化される

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太陽光でセロトニン神経は活性化される
 
脳幹の正中部に縫線核という場所があり、そこにセロトニン神経はまとまって存在する。
そのセロトニン神経は、太陽光の影響を受ける構造になっている。
すなわち、目の網膜に入った太陽光の刺激が、神経の電気信号となって、直接に縫線核のセロトニン神経を活性化する。
通常、目に入った光信号は、視覚情報として大脳に伝達されて、視覚機能に関わる。
しかし、その回路とは全く独立した経路で、脳幹のセロトニン神経が活性化される。
したがって、太陽光が直接に脳内セロトニン分泌を促すように、脳はできあがっている。
 
ここで注意しなければならないのは、電灯の光は視覚機能において太陽光の代用に成り得たが、セロトニン神経の活性化においては、通常の電灯の光は役に立たないことだ。
その理由は、照度が足りないから。
太陽光の照度は1万ルクス以上あるが、通常の電灯光は500ルクス以下である。
これまでの研究で、2500~3000ルクス以上の照度がセロトニン神経の活性化に必要だと判明してきている。
今日、うつ病の高照度光療法として、2500~3000ルクスの電灯光が使われている。
その高照度光に当たってみると分かるが、汗が出るほどの強さである。
 
太陽の恵みを受ける生活とは
 
それでは、日常生活でセロトニン活性のある状況とはどのようなものか。
太陽が出ていれば、室内でカーテンを開けて、窓際にいても十分な照度がある。
太陽が出ているときに、帽子を被ったり、日傘をさしたり、長袖を着たりUVカットの化粧品を使用したりしても、外を歩けばセロトニン活性になる。
網膜に2500ルクス以上の光が当たることが必要なだけで、皮膚に当たる光は、脳内のセロトニン分泌に全く影響しない。
ただし、サングラスをつけるのはNGである。
 
天気のよい日に、室内にこもりっきり、あるいは地下街で1日中仕事をする場合などは、太陽の恵みを受けないで1日中生活している、という自覚を持たなければならない。
そういう人々は、対策として、朝夕の通勤時間や昼食時に20~30分間、太陽の光を浴びる工夫をすれば、それでもセロトニン活性の効果が得られる。
あるとき、10年間、深夜のタクシー運転をしている人に話を聞く機会があった。
元気に仕事を続けられる秘訣は何かと聞いたら、自宅から会社まで小1時間、夕方と早朝に自転車で通っているとのことだった。
この習慣が、太陽の恵みをちゃんと受ける生活になっていると合点した。
 
北欧など緯度の高いところに住んでいる場合、冬になると1日中太陽が出ない状況で1ヵ月くらい生活することになる。
そのため、冬季うつ病(季節性感情障害)の頻度が高まるといわれる。
これも太陽の恵みを受けられないことが、セロトニン欠乏脳をもたらす状況だといえる。
じつは、似たようなリスクが日本でも発生すると考えられる。
雪国で1日中家の中にこもりっきりの生活を続けると、太陽の恵みを受けずに、セロトニン欠乏脳になる可能性がある。
 
雪国に限らず、日本のどこにいても、引きこもりの生活を続ければ、セロトニン欠乏脳のリスクを抱えることになる。
対策は決してむずかしくない。
家の中で飼っている犬を、朝と夕方、散歩に連れ出す生活を思い描いてもらえば分かる。
たったそれだけで、犬も人間も元気に生活できるのだ。
セロトニン活性のある生活を維持できるのである。
「自律神経をリセットする太陽の浴び方 より」
 
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私たちの脳の中で司令塔のような役割をしているセロトニン神経という神経細胞が弱ってきており、軽い不調からうつ病、パニック症候群、さまざまな依存症などを引き起こす原因になっています。
この現象は大人から子どもまで老若男女に広がっています。
セロトニン神経は、日を浴びることや意識した呼吸、簡単な運動をすることなど日常生活に少し工夫を加えることによって鍛えることができます。
 
仕事がたまっていたり、疲れていたりするときに、自分の思いどおりに物事が進まないと、イライラしやすくなります。
また、つねにイライラしやすく、状況によってキレやすくなるという人もいます。
こうしたイライラの原因は、脳の神経を伝達する機能の低下によって、脳の緊張・興奮状態が過剰になっているのではないかと考えられています。
 
イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、ビタミンB12は、葉酸をはじめとするビタミンB群、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒に摂ることが望ましいとされています。
 
ビタミンB12の働き
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