血圧を上げる動作に注意

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★ 急に立つと血圧は一時的に下がる

人間のからだは、立った姿勢が続くと、重力の関係で、血液が下半身にたまります。
横になっているときと立っているときでは、下半身の血液量の差は500~750mlにもなります。
全身を循環している血液の量は5リットルほどですから、500ml以上のかたよりは、血液の心拍出量を減らし、
血圧を下げます。
また、そのまま血液が下半身に下りてしまうと、脳の血液が足りなくなってしまいます。
そこで、交感神経がはたらき、手足や内臓の血管を収縮させて、下半身の血液を心臓に戻します。
逆に、横になっているときは、体内の血液のかたよりが少ないため、血管を無理に収縮させる必要がありません。
そのために血圧は下がった状態になっています。
ところが、その状態から急に立ち上がると、一時的に上の血圧はやや下がり、下の血圧はやや上がった状態になります。
健康な人なら、手足や内臓の血管が反射的に収縮して、血圧は平常の数値に戻ります。


★ 立ちくらみには気をつける

横になった状態から急に立ったときの血圧の変動は、高齢者ほど大きいことがわかっています。
これは、下肢の血管反射のはたらきがにぶくなっているためで、とくに、収縮期(最大)血圧の下がり方は大きく、そのために一瞬頭がクラッとする、いわゆる立ちくらみをおこしやすくなります。
立ち上がったときの収縮期血圧の下がり方が15ミリ以上だったり、30秒以上たっても拡張期(最小)血圧が通常の状態まで上がってこない場合を、起立性低血圧といいます。
起立性低血圧は、ふだんから血圧が低めの人に限っておきるものではなく、高血圧の人にもみられるものです。
ただし、起立性低血圧の状態になっても、脳の血液循環のトラブルがなければ、めまいや立ちくらみなどの自覚症状はありません。
起立性低血圧は、高血圧の治療で服用する、交感神経のはたらきを抑制する作用のある降圧薬の副作用としてあらわれる場合があります。
この種類の薬を処方されている人は、座った状態や横になって測る血圧だけでなく、立った状態での血圧も測るとよいでしょう。
立ちくらみを起こしやすい人は、それも医師に伝えておきましょう。
また、褐色細胞種や原発性アルドステロン症、腎血管性高血圧などの二次性高血圧では、起立性低血圧をおこしやすくなる傾向があり、診断の手がかりにもなります。


★ 高齢者や動脈硬化が進んでいる人はゆっくり起きる

高齢者や、動脈硬化が進んでいる人では、横になっていて急に立ち上がり、大幅に血圧が下がって、
立ちくらみや起立性低血圧が起きると、脳梗塞心筋梗塞の発作の引き金になることがあります。
とくに、長い時間横になったあとに起き上がる、朝の起床時は、リスクが大きくなります。
目が覚めてすぐに起き上がるのは避け、しばらくは横になったままで、下肢の血管反射が目を覚ましたあとで、ゆっくりと起き上がることを習慣にしましょう。
起きてからも、あわただしく身支度をしたり、急いで外出すると、今度は血圧が急上昇します。
時間に余裕をもって、ゆったりと過ごすことが大切です。


★ こんな動作は血圧を上げるので避ける

日常生活の中には、血圧を急上昇させる要素がたくさんあります。
仕事や車の運転などで緊張したり、人間関係のトラブルや興奮、感激、イライラなどの感情の変化、
通勤や労働などの肉体的な労作など、現代社会にはさまざまなストレスがあふれています。
寒さや暑さ、傷みなどの皮膚への刺激も、ストレスとなって血圧に影響を及ぼします。
こうしたストレスは、多くの場合ひとつだけではなく、いくつかが複合してあらわれます。
イライラしながら満員電車に乗ったり、寒いトイレでいきむこともあるでしょう。
また、寝不足や飲みすぎなどの不摂生、肥満などが、ストレスを増幅させ、さらに血圧を上げてしまうことも
よくあります。
悪い条件が重なれば重なるほど、血圧は不安定に揺さぶられ、血圧だけでなく、血液が血管の中で固まりやすくなったりもします。
動脈硬化が進んでいるケースでは、脳卒中心筋梗塞のような命にかかわる発作につながってしまうことあり、
たいへん危険です。

下記にあげたのは、気をつけたい動作や状況のいくつかですが、もちろんこれだけではありません。
このような動作のリスクは、降圧薬を服用していても小さくはできません。
ひとりひとりの注意が肝心です。


★ 血圧を上げる動作あれこれ

  ・ お酒を飲んだあとに、お風呂に入る
  ・ 脱衣所が寒い
  ・ 仕事中、起こったり大声を出したりする
  ・ 睡眠不足なのに、重労働をしている
  ・ 朝、ぎりぎりまで寝ていてあわてて飛び起きる
  ・ 朝、急いで駅の階段をのぼり、満員電車に乗る
  ・ 真夏、汗だくのままエアコンの風にがんがんあたっている
  ・ 冬、外食をし、食べ過ぎたまま寒い外へ出る
  ・ 冬、寒いトイレでいきんでいる

                            (血圧を下げる生活読本より)


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