糖尿病 万病の元

イメージ 1

《 糖尿病 万病の元 》       朝日新聞 2007年9月2日より

*****************************************
アルツハイマー病発症4.6倍◆がん死亡3.1倍
*****************************************

☆九大教授ら15年追跡研究☆

糖尿病やその「予備軍」の人は、そうでない人よりアルツハイマー病になる危険性が4.6倍高いことが、
九州大の清原裕教授(環境医学)らの研究でわかった。
福岡県久山町の住民約8000人を15年間、追跡して分析した。
がんや脳梗塞、心臓病も発病しやすいという。
糖尿病が、失明などの合併症に加え、様々な病気の温床になることが浮かび、
その対策の重要性が改めて示された。   (小西宏、福島真吾)

九大は久山町で1961年から住民検診をして、生活習慣や体質と病気の関係を研究。
死亡した場合には解剖への協力を求めている。

清原さんらは85年時点で、神経疾患などを研究する米国立衛生研究所の研究機関(NINCDS)の基準で
認知症ではないと判断した65歳以上の826人を追跡。00年までにデータの解析を進めてきた。

15年間に188人が認知症を発症し、うち93人がアルツハイマー病(脳血管性認知症レビー小体型認知症などとの併発を含む)だった。  
画像検査のほか、死亡した145人は9割以上を解剖して確定診断をした。
 ※レビー小体型認知症
 http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000300/hpg000000263.htm

同じ826人について、ブドウ糖代謝能力である耐糖能の異常も調査。
生活習慣が主な原因とされる2型糖尿病の病歴がある―空腹時血糖が血液0.1リットルあたり115mg以上―などの人らをアルツハイマー病調査と合わせて分析した。
これら糖尿病やその予備軍の人は、耐糖能異常のない人に比べて4.6倍、アルツハイマー病になる危険性が高かった。

清原さんによると、脳にたまってアルツハイマー病を引き起こすとされる物質は、インスリン分解酵素によって分解される。
耐糖能異常の人はインスリンが少ない場合が多く、分解酵素も減るので、アルツハイマー病の危険性が高まるという。

解剖などによる確定診断に基づいたアルツハイマー病研究で、これほどの規模のものは世界でも例がないという。

また、40-79歳の約2400人を88年から12年間追跡し、糖尿病とがん、脳梗塞などとの関係も調べた。
その結果、糖尿病の人は、そうでない人よりがん死亡の危険性が3.1倍高く、脳梗塞も1.9倍、心筋梗塞など虚血性心疾患も2.1倍高かった。

清原さんは「糖尿病対策がアルツハイマー病予防につながる可能性がある。
国内ではここ十数年で耐糖能に異常がある人が女性で2割、男性で4割増えており、
メタボリック症候群の中でも特に対策を急ぐ必要があると話す。



ビタミンB12の効能・効果
http://www.endokoro.com/libra/v_effect_top.html