慢性ストレスが病気を引き起こす

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慢性ストレスが病気を引き起こす
 
朝、起床して昼間に仕事をし、夜床について眠る。
毎日の何気ないくり返しです。
しかし、少し考えればわかることですが、ヒトが生きているのはじつに不思議なことです。
 
たとえば、冬に気温は摂氏零度近くまで下がり、夏には40度近くまで上昇します。
ですが、外の温度がどう変化しようと、体温は常に37度付近に保たれています。
また、夏場に激しい運動や肉体労働をすれば、数リットルもの汗をかくことも珍しくありません。
 
体、とりわけ脳は熱に弱いのです。
脳を高熱から守ることが、体温を一定に保つ第一の理由です。
たとえば、もし脳の温度が42度を超えて60分以上放置されると、脳の神経細胞が壊れはじめます。
そうなれば、脳は働かなくなってしまいます。
 
また、激しく運動し大量に汗をかいても、血液中の水分、水素イオン濃度、塩分濃度は常に一定の範囲内におさまっています。
酸素の濃度、脳や免疫系にかかわる数百におよぶホルモンや化学物質の濃度も一定の範囲からはみ出すことはありません。
もし仮に、これらが一定の狭い範囲を少しでも外れるなら、ヒトは生きていられません。
 
ヒトが生存できる体内環境は、きわめて狭いのです。
この体内環境を常に一定の範囲内に保つことを「ホメオスタシス(homeostasis、恒常性)」と呼んでいます。
この言葉の語源はギリシャ語で、「ホメオ」は「同じ」、「スタシス」は「一定の状態」という意味です。
ホメオスタシスを維持することは、ヒトが生きるための絶対条件です。
 
そのために、神経系である脳、治療をつかさどる免疫系、ホルモンの分泌をつかさどる内分泌系は「三位一体」となって協力して働いています。
この三位一体に強烈なパンチを浴びせるのが、強いストレスや継続するストレス(慢性ストレス)です。
ストレスが三位一体をゆがめれば、免疫系と内なる治癒力が低下します。
免疫系と内なる治癒力の低下の度合いは、三位一体のゆがみと大体において比例するでしょう。
 
強いストレスや慢性ストレスは、心筋梗塞脳卒中の危険因子にもなっています。
慢性ストレスは免疫力を低下させ、カゼをひきやすくし、がんや感染症にかかりやすくします。
 
一方、免疫力が有害なレベルにまで上がりすぎると、アレルギーやぜんそくをもたらします。
免疫力もバランスが大事なのです。
「病気にならない脳の習慣 心と免疫力のしくみ より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
 
<ビタミンB12の働き>
・新しい細胞を作り、壊れた細胞を修復する働き。
・神経の壊れた部分を修復する働き。
・伝達物質を作る働き。
・免疫を正常にする働き。
・脳の詰まったところをかき出す働き。
・血流をよくする働き。
 
ビタミンB12について