認知症を引き起こす病気と治療法 ⑤混合型認知症

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認知症を引き起こす病気と治療法 ⑤混合型認知症
 
●診断が難しい混合型認知症
高齢者は認知症以外に、循環器疾患など、他の持病を持っていることが多く、アルツハイマー認知症の患者さんに脳梗塞が発生するのは珍しいことではありません。
 
多発性脳梗塞で比較的小範囲の梗塞(ラクナ梗塞)が何回か続いて、脳血管性認知症の症状があらわれ、アルツハイマー認知症の症状に加わることがしばしばあります。
 
このような場合は、無理に分類するよりも「混合型認知症」と呼んだほうが便利です。
 
治療は両方とも続けるのが原則ですが、手技的にリハビリのやり方を変えなければならない場合があります。
逆に、脳血管性認知症と呼ぶのがふさわしいこともあります。
 
アルツハイマー認知症が進行すると、危機管理が困難になり、リハビリ中に技師が目を離したわずかな隙に転倒して骨折し、事故責任の争いが起こることも珍しくありません。
 
自宅で転倒する例も多く、そういう危険な動作をしてはダメと後方から制止するのではなく、すばやく患者さんの前方に回って、手すりにつかまってから立ち上がらせたり、正しい安全な動作を目の前でやってみせるのがもっとも有効です。
 
●大腿骨骨折は認知症を進行させる
認知症の患者さんは危機管理の能力が低下するため、自宅や病院、施設内で転倒し、大腿骨頸部(丸い骨頭のすぐ下で、大腿部の側方から出っ張りとして触れる大転子との間)から折れ、整形外科で人工骨頭置換術を受けることが多いのです。
 
時期を変えて両側に起こり、患者さんが左右を間違えて医師に報告したと思い、念のために反対側の大腿をみると、そこにも手術痕があったということもあります。
 
特に難度の高い手術ではなく、高齢者でも安心して受けられますが、手術後に一時寝たきりの状態になるため、筋拘縮(麻痺ではなく、こわばって動きが悪くなる)や萎縮による筋力の低下をきたさないように、整形外科医の判断でなるべくすみやかにリハビリを開始することがもっとも重要です。
 
また、これを機会に認知症の症状が一気に進行することがあるので、家族による話しかけなど、接触を絶やさないように注意する必要があります。
認知症 治った!助かった! この方法 より」
 
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現在60歳以上の人の20パーセントでビタミンB12の欠乏が見られます。
これは歳をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。

ビタミンB12は、肉や魚介類、卵、乳類などの動物性食品には多く含まれますが、原則として植物性食品には含まれません。
植物性でも例外的に、納豆やみそなど発酵食品、のりなどの海藻に含まれます。
 
また、食べ物に含まれるビタミンB12は、そのままの形では吸収されません。
胃から分泌された内因子と結合する必要があるのです。
このために胃を切除した人では、ビタミンB12が欠乏して貧血をおこすことがあります。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
人間の体質改善は約3ヶ月程度が基準となっているため、続けなければ効果が得られません。
生活習慣を変えるとともに栄養面の改善も非常に大切です。
 
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