ビタミンとミネラルのはたらき⑦ ≪亜鉛・・・心の健康にもっとも影響をおよぼす栄養素≫

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ビタミンとミネラルのはたらき⑦ ≪亜鉛・・・心の健康にもっとも影響をおよぼす栄養素≫
 
亜鉛はすべての細胞に存在し、全酵素2200種類のうち100種類以上の酵素の補因子になっています。
どのミネラルよりも多くの酵素を助けているのが、亜鉛なのです。
それほど大事な亜鉛ですが、じつはいちばん不足しやすく、心の健康にもっとも影響をおよぼす栄養素でもあります。
 
日本人は1日に平均9ミリグラムの亜鉛を摂取しています。
ですが、この値はアメリカ人やイギリス人の1日の平均摂取量15ミリグラムの60パーセントにすぎません。
日本人の大多数は、潜在的亜鉛欠乏症の状態にあるのです。
 
それに拍車をかけるのが、フィチンという物質が亜鉛を捕らえ、亜鉛の身体への吸収を妨げることです。
フィチンはパンなどの小麦やインスタント食品中に大量に含まれているため、日常の食生活で摂取しやすいのです。
このため亜鉛はわたしたち現代人にとってもっとも不足しやすいミネラルになっています。
 
亜鉛の不足は統合失調症、うつ、不安、摂食障害、多動などの危険因子になります。
要するに、心の健康を防げるのです。
 
食事からの亜鉛の摂取が不足ぎみであるばかりか、生体がより多くの亜鉛を必要とする状況も増えています。
たとえば、ストレス、感染、月経前症候群、ホルモンのインバランス、経口避妊薬、過剰な銅、過度の飲酒、血糖値の不安定などです。
それから、体質的に亜鉛を多く必要とする人もいます。
 
亜鉛はナッツ類、穀物の種子に豊富です。
肉類や魚類にも含まれていますが、いちばん多いのが牡蠣です。
一個の牡蠣(100グラム)には約13ミリグラムもの亜鉛が含まれています。
「食べ物を変えれば脳が変わる より」
 
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脳には無数の神経細胞があり、その神経細胞の末端からセロトニンアセチルコリンドーパミンなどの神経伝達物質を放出しています。
それらによって次の細胞に情報を伝えていき、それが網の目のようにいっせいに行われることで、情報が瞬時に伝わり、手や足などの末端まで伝達されていきます。
しかし、その伝達情報がうまくいかないと、脳が興奮して抑制が効かなくなり、イライラしたり、落ち着かなくなったりします。

 イライラしやすいときは、脳の神経伝達物質であるセロトニンアセチルコリンドーパミンなどが不足していることが考えられます。
そのため、これらの材料となるアミノ酸と、アミノ酸を取り込むために必要な糖分やビタミンB12の不足を疑ってみましょう。
また、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖が足りなかったり、神経伝達物質を放出するときに働くカルシウムが不足したりしているのも原因のひとつと考えられます。

 それらの成分が不足する背景には、朝食を抜くといった欠食や、栄養のバランスの悪さなどが考えられます。
忙しいからと食事をぬいていないか、好きなものばかり食べて偏食をしていないかなど、自分の日頃の食生活をふり返り、食事リズムと栄養バランスを改善していくことが大事です。
 
一般にビタミンB群は、一つが欠乏するときには他のビタミンも欠乏していることが多いのです。
もちろん、すべてのビタミンが老化防止に必要であることはいうまでもありませんが、B類のビタミンB12、B6葉酸は老化を防ぐうえでも、もっとも重要なビタミンとされます。

 現在60歳以上の高齢者の二割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
これは年をとると胃の機能が低下し、内因子の分泌が低下するからです。

 また、
シナプス形成に必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。
その中でも重要なものがビタミンB12です。
 
ビタミンB12には、脳の血流をよくするとともに、脳神経の働きを改善あるいは促進する作用があります。
同時に、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きも持っています。
ビタミンB12は、大量かつ配合によって効果的に働き、そして、ビタミンB群はバランス良く摂ることで相乗効果を発揮します。
 
ビタミンB12は、脳からの指令を伝達する神経を、正常に働かせるために必要な栄養素です。
十分にあると、集中力ややる気が高まり、不足すると、神経過敏などの症状が起こりやすくなります。
また、脳や神経と関連が深く、不眠症にも効果があるといわれています。
 
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