まだ間に合う!血管をしなやかにして心臓の骨化を食い止める3つの栄養素

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まだ間に合う!血管をしなやかにして心臓の骨化を食い止める3つの栄養素
 
カルシウムは食事からの摂取が基本
 
心臓の「骨化」は、冠動脈が動脈硬化を起こすと生じます。
そのため、骨化を予防するには、まず動脈硬化の進行を防ぐことが重要です。
 
動脈硬化を促進する危険因子として、肥満、運動不足、偏った食生活(特に動物性脂肪の取り過ぎ)、喫煙、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、ストレスなどが挙げられます。
 
高血圧や脂質異常症、糖尿病などの持病がある人は、その治療をきちんと行うことが先決です。
基本的なことですが、適度な運動とバランスのよい食生活を心がけて、肥満を解消することや、禁煙もぜひ実行してください。
 
食生活に関しては、まず毎日の食事で、カルシウムをしっかり取ることが必要です。
骨化は体内のカルシウム不足が引き金となるからです。
 
日本人のカルシウム摂取推奨量は、成人男性で1日当たり700~800mg、成人女性で650mgとされていますが、現実には多くの人が不足しています。
 
それを補うために、小魚や大豆・豆製品、葉物野菜、海藻、乳製品などカルシウムを多く含む食品を積極的に取ることが大切です。
 
特に女性は閉経後、女性ホルモンの分泌が低下するので、骨からのカルシウム溶出が増大します。
そのため、骨粗鬆症の予防のためにも、食事でカルシウムをしっかり取ることを心がけましょう。
 
なお、カルシウムはサプリメントで摂取するよりも、食事から取るのが理想です。
サプリメントの場合、体内に速やかに吸収されて血中カルシウム濃度が急上昇しますが、これがかえって骨化を促進する恐れがあるためです。
 
カルシウムが豊富な食品を多く取るとともに、適度に日光を浴びることと、少し負荷のかかる運動を習慣にしましょう。
 
日光を浴びると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で合成され、骨に負荷のかかる運動を行なうと、カルシウムが骨に沈着しやすくなります。
 
1年で骨化の進行が抑制されたという報告も
 
カルシウム以外にも、骨化の予防・改善に有効な栄養素があることがわかっています。
ビタミンKと、魚に多く含まれる脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。
 
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、納豆に多く含まれています。
最近の研究によると、基準量を満たすようにビタミンKを摂取すると、1年ほどで骨化の進行が抑制された、との報告があります。
 
ビタミンKは、血管の内部に入り込み、動脈硬化を起こした血管壁にカルシウムが沈着するのを防ぐ働きがあると考えられています。
 
ビタミンKが多い食品の代表格は納豆ですが、血栓を溶かす「ワルファリン」という薬を服用している人は、薬の効果を打ち消してしまうため、納豆を食べてはいけないことになっています。
 
ほかには、モロヘイヤやコマツナシュンギクなどの葉物野菜、ワカメ、ノリ、ヒジキなどの海藻類に、ビタミンKが多く含まれています。
ワルファリンを服用している人や、納豆が苦手な人は、これらの食品を積極的に取るようにしましょう。
 
魚を食べる日本人は白人に比べて進行が遅い
 
 EPADHAに心臓の骨化を抑制する働きがあることは、日本人と白人の比較研究がきっかけでわかりました。
実は、日本人は白人に比べて、心臓の骨化の進行が遅いのです。
 
 骨化の度合いと、栄養素の摂取状況の関係を統計的に調べた結果、EPADHAを十分に取っている人は、骨化の進行が抑えられると判明しました。
 
 とはいえ、食生活の洋風化や肉など動物性脂肪の摂取が増えたことにより、日本人のEPADHA摂取量は減少傾向にあります。
 
 EPADHAは、イワシやマグロ、サバ、タイ、ブリ、サンマ、サケ、アジなどの魚に多く含まれています。
食事では肉ばかりに偏らず、魚も毎日食べるようにしましょう。
 
 このように心臓の骨化は、生活習慣、とりわけ食事と深い関係にあります。
年齢とともに進む心臓の骨化を食い止めるために、自分の生活習慣や食事内容を見直して、できるところから改善に取り組んでください。
 
《アマニ油かけ納豆(アマニ納豆)》
アマニ油を小さじ1杯(5ml)程度、1パック分の納豆にかけて食べる方法です。
 
アマニ油は、DHAEPAと同じ、オメガ3系脂肪酸です。
アマニ油が含むα-リノレン酸は、体内で魚油に豊富なDHAEPAに変化して、動脈硬化の進行を防ぐのです。
そして、血流が促されて体の隅々にまで酸素や栄養が行き渡るため、全身に活力がみなぎり、認知症の予防に役立つのです。
青魚を毎日食べるよりも、アマニ納豆のほうが継続しやすいのではないでしょうか。
アマニ納豆は、毎食取ってもいいのですが、1日1回という場合には、夕食時に取るといいでしょう。
納豆に含まれるナットウキナーゼが血液や血管に作用して血栓予防などの効果を発揮するのには、食後5時間前後かかります。
脳の血管が詰まって脳梗塞が起こりやすいのは、午前1~5時くらいの時間帯です。
その時間帯に効果を発揮してもらうには、夕食時に食べるのがいちばんいい選択ということになります。
オメガ3系のシソ油やエゴマ油、オメガ9系には、オリーブ油やキャノーラ油、米ぬか油などもあります。
オメガ3系とオメガ9系の油は、認知症ばかりか、生活習慣病も予防します。
「血管がぐんぐん若返る最強療法 より」
 
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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
もしビタミンB群のビタミンB12・B6や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
 
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
 
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