ふくらはぎを刺激して全身の血流を促し動脈硬化に効く「かかとの上下運動」

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ふくらはぎを刺激して全身の血流を促し動脈硬化に効く「かかとの上下運動」
 
動脈硬化の進行は生活習慣でまったく異なる
 
動脈硬化はなぜ起こるのでしょうか。
その最大の原因は、加齢です。
 
動脈硬化を高齢者の病気だと思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。
動脈硬化は、生まれたときから始まっています。
この世に生を受けた瞬間から、心臓は休む間もなく動き続け、動脈は全身に血液を送っています。
ですから、動脈は年齢を重ねるほど疲弊し、硬くなっていくのです。
40歳を過ぎるころにはどんな人の血管も多かれ少なかれ動脈硬化が起きています。
 
それに拍車をかけるのが、生活習慣です。
脂肪の多い食事や運動不足、喫煙などによって血管にプラークがたまると、血管の内腔が狭くなったり血栓ができたりして、動脈硬化は悪化します。
 
生活習慣の健康への影響は、沖縄を見るとよくわかります。
 
沖縄は、かつては世界的に有名な長寿県でした。
ところが、2000年に男性の平均寿命が全国4位から26位に転落して以降、肥満率は男女ともに全国一。
男性の65歳未満の死亡率もトップです。
 
この背景には、生活習慣の変化があります。
伝統的な沖縄の食事から欧米食への急速な移行と、車社会による運動不足が、沖縄の人たちの健康状態をこれだけ変えてしまったのです。
 
足のむくみが改善しウエストも細くなった
 
ですから、動脈硬化を防ぐには、なによりも食事に気を付けて、よく歩くことが大事です。
 
加えて、お勧めしているのが「かかとの上下体操」です。
 
これは、簡単な体操です。
次の三つの作用によって、効率的に足の血流を改善します。
 
1.足の血液量を増やす
足の筋肉は動いていないときはあまり血流を必要としませんが、歩いたり走ったりするとたくさんの血液が必要になります。
かかとの上下体操でふくらはぎの筋肉を使うと、それだけで足の血流が増えます。
 
2.心臓に血液が戻りやすくなる
足の筋肉(主にふくらはぎ)には、重力によって下にたまった血液を心臓の戻す働きがあります。
かかとの上下体操を行うと、ふくらはぎの筋肉がポンプのように働いて、たまった血液を上に押し流します。
 
3.一酸化窒素(NO)が増えて血流がよくなる
静脈の内側の内皮細胞からは、血管を拡張したり血液を固まりにくくするNO(エヌオー)が産生されます。
かかとの上下体操で血管内皮が刺激されると、NOの産生が高まり血流がよくなります。
 
足の血流が良くなれば、むくみや間欠性跛行(しばらく歩くと足が痛くなり歩けなくなるが、少し休むと痛みが止まるという症状)のような下肢の症状が改善し、全身の血流もよくなります。
 
かかとの上下体操を毎日行い、ウエストが細くなった女性(60代)もいます。
そこまでの効果は考えていませんでしたが、ふくらはぎだけでなく腹筋も使われて、おなかが引き締まったのでしょう。
 
かかとの上下体操は、いつ行っても構いませんが、朝晩、30回ずつ行うといいでしょう。
 
《かかとの上下体操のやり方》
 
その1:立って行う
イスや机に手をおき、体がぐらつかないことを確認してから、かかとを上げ、指先で立つ。
リズミカルにかかとをしっかり上下させる。
朝晩、30回行う。
 
その2:座って行う
イスに座り、かかとを上げる。
リズミカルにかかとをしっかり上下させる。
気付いたときにいつでも行うとよい。
「血管がぐんぐん若返る最強療法 より」
 
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動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
もしビタミンB群のビタミンB12・B6や葉酸があれば、ホモシステインは分解されます。
さらに、ビタミンB12や葉酸をはじめとするビタミンB群は、ミネラル、アミノ酸などの栄養素と協力し合っているため一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
ビタミンB12には、動脈硬化の原因となるホモシステイン活性酸素(ふえすぎると体に害を及ぼす非常に不安定な酸素)を除去する働きがあります。
 
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
 
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