免疫の司令塔はヘルパーT細胞

イメージ 1
免疫の司令塔はヘルパーT細胞
 
発酵食によって免疫力がアップするメカニズムについて、少し説明しましょう。
 
そもそも免疫とは、本来からだに備わっている自然治癒力のこと。
免疫力が高ければ病気にかかりにくくかかっても軽症ですみます。
逆に、免疫力が低いと病気にかかりやすく、重症化しやすくなります。
 
免疫力を高めるには、白血球に含まれる免疫細胞のリンパ球を正常にはたらかせる必要があります
 
なかでもとりわけ重要なのが、リンパ球のなかの「ヘルパーT細胞」。
最近の研究で、この細胞がアレルギーや自己免疫疾患、さらにはがんの発症にも関わっていることがわかってきました。
 
少し専門的になりますが、ヘルパーT細胞には1型(Th1)と2型(Th2)があり、2つの均衡がとれていることで、からだも健康な状態を維持しています
 
しかし、食生活の乱れやストレスなどの要因により、2型が優位になると、花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー反応が強く出るようになります。
また、発がんの危険も増えるといわれています
 
逆に、1型が優位になると、関節リウマチなどの自己免疫疾患にかかるリスクが高くなります
つまり、ヘルパーT細胞の1型と2型のバランスをつねに保つことが、病気を防ぐうえで重要なわけです。
 
それに役立つのが、発酵食です。
なぜなら免疫をコントロールするリンパ球は、その60~70%が腸内に集中しており、腸のはたらきが免疫力に大きな影響を及ぼすからです。
発酵食は善玉菌を増やす魔法の食材といえるでしょう。
 
味噌やしょう油、漬物、ヨーグルトやチーズなどには、発酵の過程で乳酸菌が豊富に含まれていますが、乳酸菌には1型を活性化するはたらきがあり、2型が優位になったときに2つのバランスを整えるのに有効です。
一時、「花粉症にはヨーグルトが効く」という風評が立ったのは、決して間違っていないのです。
また、納豆に含まれる納豆菌にも、同様の効果があることが実証されています。
 
日々の食生活に発酵食品を取り入れることは、腸内環境を整えて、リンパ球のはたらきを正常に保ち、免疫力をアップさせることにつながるのです。
 
※ヘルパーT細胞
外から侵入した異物を直接取り除くはたらきはしないものの、サイトカインと呼ばれるたんぱく質を産生して、他の免疫細胞のはたらきを活性化する、司令塔にような役割を果たす。
「腸を元気にしたいなら発酵食を食べなさい より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
近年、日本人の死因の上位占めているガン・心筋梗塞・脳血管系の疾患、そして高血圧症などの生活習慣病の多くは、戦後、日本人の食生活が欧米化し、動物性食品を多くとるようになったことに起因すると言われています。
長寿のためには、動物性食品を控えた方が良いという事ですが、一方では動物性食品を摂らないことからビタミンB12を摂取できなくなる恐れがでてきます。
ビタミンB12を摂取できないことで、脳のビタミンとしての作用が欠落してしまうという深刻な問題も起きています。
さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
ただし、納豆やみそ、たくあんなど、日本に古くからある発酵食品には、植物性でも例外的にビタミンB12が含まれています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
 
ビタミンB12は、悪性貧血のみならず神経や免疫系にも効果があることが明らかになり、高齢者のうつや認知症の予防等に利用されています。
高齢者が理由のはっきりしない神経症状を呈したら、ビタミンB12の欠乏を考えるべきだという学者もいます。
現在60歳以上の2割の人に、ビタミンB12の欠乏が見られるということです。
ビタミンB12は胃の内因子という糖たんばくと結合し吸収されますが、年齢とともに胃が小さくなったり胃の状態が悪くなったりして、内因子が
少なくなりビタミンB12の吸収が悪くなってしまうのです。
血液検査では見つけられないような軽度のビタミンB12の欠乏でも、認知症に似た神経異常を引きおこすことがあります。
とくに高齢者では、ビタミンB12の値が基準値の範囲にあっても、それが下限値の場合には、記憶障害をおこすことが知られています。
萎縮性胃炎など胃の病気などで内因子が作れない場合も吸収が困難になります。
しかし、ビタミンB12は大量に摂ることで浸透圧の原理による押し込み効果によって胃の内因子と関係なく吸収されることが分かっています。
吸収率を高めるビタミンB12摂取量の目安は1000μg(マイクログラム)以上と考えられています。
 
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!