血流は昼と夜でガラッと変わる

イメージ 1
血流は昼と夜でガラッと変わる
 
血管の活動にはサイクルがあります。
 
睡眠中の後半から上がり始める「覚醒系ホルモン」でもあるコルチゾールの分泌は起床20分後くらいにピークを迎え、私たちの体は交感神経モードへと本格的に切り替わっていきます。
 
つまりそこから、体は活動性を増します。
 
副交感神経モードでは、末梢の毛細血管に血液を送り込み、臓器を丁寧に修復する方向でしたが、交感神経モードでは全身の活動性を高める方向に切り替わります。
 
地方実家に帰省していた人が、休みが終わるのでまた都心部に戻ってくる、あるいは大型連休で海外にバカンスに出ていた人が、バカンスを終えて日本に戻ってくる、そんなイメージです。
目、胃、肺、脳、心臓など、肉体をダイレクトに動かす中心部へと血流が戻って来る、物流が集中するというわけです。
 
起きて動いている時は大量の呼吸が必要となる、消化器官には色々な食べ物が入るので活動が活発になる、脳(脳神経)の活動が活発化する、だからそのためには大量の血流が必要なのです。
 
しかし、昼の時間帯に交感神経が優位になるとは言っても、副交感神経がまったくゼロになるわけではありません。
 
昼間の時間でも、たまに副交感神経を上げてあげるのが重要になります。
ずっと交感神経が優位な状態ではストレス過多になってしまいます。
 
それに、体の中心に血流を集める時間帯だとは言っても、抹消の毛細血管に血流がいかないわけではありません。
すべてはバランスであり、どっちが優位かという問題です。
 
ちなみに血流が滞り、管理・制御が効かなくなると、臓器や手足などの器官への酸素、栄養素、ホルモン供給が不足する可能性があります。
 
全身の健康、恒常性を保つために、血液は定期的に酸素、栄養素、ホルモンを届けないといけないのです。
 
そしてこれは夜の時間帯も同じこと。
 
昼間に中心部へと向かった血流は、夜の時間帯、とくに睡眠中になると血管がゆるみますので、末梢の毛細血管へと大量に流れ込み、昼間の活動で傷ついた器官、筋肉、それらを構成する膨大な数の細胞のリニューアルをします。
 
これが時計遺伝子に従って動く毛細血管のメカニズムです。
 
・血管は、体のエネルギー源である血液の運搬をする役割がある
・血液には酸素などのほかに、ホルモンの運搬をする役割がある
・血流が滞る原因には、ストレスや病気や生活習慣などがある
・朝起きて活動モードに入る時には、体の中心部へと血流が向かう
・中心部とは、目、胃、肺、脳、心臓、腸など、
動作の中心となる器官である
・睡眠時のお休みモードには血管がゆるみ、
末梢の毛細血管へと血流が向かう
・血管は時計遺伝子によって、その開閉が管理されている
・血管は自律神経の影響を、常に受け続ける
 
血流、血管の活動ポイントをまとめると、こんな感じです。
 
しかるべき時間に配送され、しかるべき時間に届けられる。
ある程度、規則的に届けられる場合に、ホルモンは私たちに効果的に作用します。
 例えばメラトニンを昼間の時間帯に大量に届けられたとしても困るわけです。
 体内時計が狂っていなければ、こうした状況は起こりません。
 しかし不規則な生活を送り続ける、あるいは生活リズムが急に狂う、そんなきっかけで体内時計は正確な時間を刻むことができなくなります。
 ストレスがかかって交感神経過剰となり血管が収縮した状況では、コルチゾールが多く分泌されますが、こうなると、ただでさえ狭くなった血管という道路の幅が狭くなり、多くのホルモンの運搬が邪魔されるだけでなく、その時間帯に出るべきホルモンの分泌をコルチゾールが妨害することになり、健康と若さを保つ上で重要なDHEAを浪費してしまいます。
それによって、病的な老化が進んでしまうことになります。
「ホルモンを活かせば、一生老化しない より」
 
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
 
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
 
近年、動脈硬化の原因として新しく注目されているものに、ホモシステインというものがあります。
虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割程度にしか高コレステロール血症が見られないことから、これまで長い間、コレステロール以外に動脈硬化の原因となるものがあるのではないかと考えられていました。
そうして、ホモシステインがそのひとつの原因だと注目を集めるようになりました。
このホモシステインが動脈の壁に沈着すると、酸化される過程で血栓を引き起こし、血管を傷害して動脈硬化を引き起こすのです。
ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。
また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。
その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。
 
ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。
また、ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
 
さらに、主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
 
ビタミンB12について?
ちょっと使える身近な情報をお届けしています!