【脳出血と脳梗塞の比率は1対13】

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脳出血脳梗塞の比率は1対13】

脳卒中はよく知られている病名ですが、けっこう曖昧に使われていて、近年ようやく「脳の血管障害や循環障害によって起こる急性の脳症状」と定義されました。
WHOの定義でも、1つの病気を指すものではないことになっていて、下記のように分類されています。

《脳 卒 中》

・脳 梗 塞
<心原性脳塞栓症>・・・心臓でできた血栓が血管内を移動して脳へといたり、脳の動脈を詰まらせる。突然発症することが多い。
<アテローム血栓脳梗塞>・・・血管壁に脂肪が沈着し、それが血栓となって血管を詰まらせる。主幹動脈や頚動脈などの太い血管で発症するが、
血栓が血管を塞ぐのに時間を要するため、徐々に悪化する。
<ラクナ梗塞>・・・穿通動脈と呼ばれる脳内の細い血管が詰まる症状。梗塞で侵される脳の範囲が狭く、発症しても無自覚であることが多い。

・頭 蓋 内 出 血
<クモ膜下出血>・・・脳と脳を覆うクモ膜とのあいだにある血管が破れて出血が起こるもの。激しい頭痛をともなう。
<脳出血(脳溢血)>・・・脳内の血管が破れて出血し、それが血腫(血の塊)となって脳細胞を破壊する。高血圧が原因でなることが多い。

日本で脳卒中というと、昔はほとんどが脳の血管が破裂する脳出血(脳溢血)でした。
ところが、最近は脳出血が減り、脳の血管がつまる脳梗塞が増加しています。
東京大学医学部の調査によると、現在、80歳における脳出血脳梗塞の比率は1対13で、脳出血がグンと減っていることがわかりました。

脳出血は、栄養不足、栄養の偏り、塩分の摂り過ぎが主な原因ですが、これらは時代の流れとともに克服されてきています。
経済発展にともなって栄養不足は解消され、塩分の過剰摂取がよくないことも広く知られるようになって、人びとが注意するようになった結果です。

その一方で脳梗塞が増えたのは、肥満からの一連の流れによるものです。
飽食・大食は、動物性タンパク質、動物性脂肪の過剰摂取となって内臓脂肪の蓄積を高め、動脈硬化、高血圧、脂質代謝異常症をもたらします。
それらが血管を狭めたり、血液をドロドロにするため血流が悪くなり、ついには脳の血管を塞いでしまいます。
これが脳梗塞です。

さらに脳梗塞は、脳への血流を止めてしまうことで脳神経を壊し、知覚障害や運動障害、言語障害をもたらします。
脳梗塞が治ったとしても、多くの場合、その後に深刻な後遺症が残ってしまうのです。
                            (病気にならない食事法 周東 寛 より)


発見後5ヶ月で隠れ脳梗塞が消えた
http://www.endokoro.com/libra/v_article007.html