<第2章>中性脂肪がたまる=血液ドロドロ
《増え過ぎると動脈硬化が進行する》
中性脂肪は糖質からつくられる脂質の一種で、体を動かす、体温を維持するといった身体活動のエネルギーになるものです。
人間が生きるためには不可欠なのですが、増え過ぎると様々な問題を引き起こします。
血液中の中性脂肪の量が多くなると、血液はドロドロの状態になり血管内をスムーズに流れなくなります。
徐々に血管を傷つけ、深刻な病気につながる「動脈硬化」を進行させるのです。
動脈硬化とは、血管の傷に脂質や悪玉コレステロールが入り込むことで、プラークができてしまった状態をいいます。
プラークはコレステロールなどのかたまりで、それがあるために血管内が狭く硬くなって血液が流れにくくなり血圧も高くなります。
さらに、進行してプラークが破裂すると、修復するために血管内に血栓(血液のかたまり)が発生。
最悪の場合、血栓で血管がふさがって、血管が破れてしまうこともあります。
動脈硬化が起こると最も怖い場所は「脳」。
脳内の血管に血栓が詰まる「脳梗塞」や、脳内の血管が破れて出血する「脳出血」など、どれも死につながる大きな病気を誘引します。
また、動脈硬化は心臓にも大きな負担を与えており、心臓の機能が低下する「心不全」や心臓内の血流が一時的に途絶える「狭心症」、心臓の血管に血栓がつまる「心筋梗塞」などを引き起こします。
動脈硬化を放置すると発症する病気
◆脳
・脳梗塞
脳内の血管が詰まり、脳細胞が損傷します。
・脳出血
脳内の血管が破れて出血し、脳細胞が損傷します。
◆眼
・眼底出血
網膜の動脈から出血し、視力障害を起こします。
◆心臓
・狭心症
冠動脈が狭くなり、一時的に血流が途絶えます。
・心筋梗塞
冠動脈に血栓が詰まり、血流が途絶えます。
・心肥大
高血圧によって強い圧力で血圧を送り出し続け、心臓が肥大します。
・心不全
心肥大の進行により、心臓の機能が低下します。
※冠動脈:心臓の筋肉に血流を送り込む血管。
◆大動脈
・大動脈瘤
動脈硬化により血管が弱まり、大動脈にこぶができます。
◆腎臓
・腎硬化症
動脈硬化により腎臓の働きに障害を起こします。
・腎不全
腎硬化症が進行し、腎機能が低下します。
◆動脈(抹消)
・閉塞性動脈硬化症
抹消の動脈硬化が進行し、血流が悪化します。
「内臓脂肪の話 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。
ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。
新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。
その結果若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12について?
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