なぜ、同じ家族でも風邪を引きやすい人、引きにくい人がいるのか?
毎年、冬になると、人混みや満員電車でマスク姿の人が目立つようになります。
インフルエンザが流行しはじめるからです。
とくに、家族に小さなお子さんや高齢の方がいる場合は気が気ではないでしょう。
インフルエンザは非常に感染力が高いので、家族の誰かひとりが発症すると次々と一家に感染してしまうリスクがあります。
日本臨床内科医学会の調査によると、家族にインフルエンザ患者がいた場合、ほかの家族に感染する割合は市中感染の2倍から3倍に高まるという結果が報告されていますから、いつも以上に用心しなければなりません。
家族間での感染を防ぐためには、インフルエンザを発症した人をほかの家族と接触させないように隔離する、患者にマスクを着用させるなどの対策が必要になります。
もちろん、直接インフルエンザ患者の看病をしている人は、接触が密になるぶん感染のリスクも高まりますので、より気をつけなければなりません。
ところが、真っ先にうつってもおかしくない、インフルエンザのお子さんを看病しているお母さんが大丈夫なのに、ほとんど接触していないほかのお子さんやお父さんにうつってしまった……というケースも時折みられます。
これはなぜなのでしょうか――?
インフルエンザに限らず、家庭によっては風邪を引きやすい人と引きにくい人、風邪を引いたときに治りやすい人と治りにくい人がいます。
これは、個々の免疫力の差によるものです。
免疫細胞が活性化されていて、強い免疫力を発揮できる人は同じ状況でも風邪を引きにくく、引いても治りやすい。
一方、免疫細胞が活性化しておらず、免疫力を十分に発揮できなければ風邪を引きやすくなるし治りにくくなってしまいます。
つまり同じ家族でも、ウイルスを侵入させない力、侵入してきても早く一掃する力が強い人と弱い人がいるということです。
免疫力の差はさまざまな要因が絡みあって生じます。
免疫システムを低下させてしまっていたり、もしくは免疫細胞を活性化できていなかったり、ということが要因です。
体質によって風邪を引きやすい人もたしかにいるのですが、その時点での免疫力の違いによって家族といえども個人差が出てきます。
とくに免疫システム低下において個人差が生じやすいのが自然免疫です。
一般的には、自然免疫の働きは若い人の方が活発で加齢とともに低下していくので、まずは年齢によって差が生まれます。
特に「第一部隊の鉄砲隊」ことNK細胞は生活習慣の影響を受けやすく、個人差が顕著です。
非常にデリケートな細胞だと述べましたが、このNK細胞はストレスや睡眠不足、飲酒・喫煙、食生活の乱れ、運動不足などがみられると、すぐに機能が低下してしまいます。
その働きは体温にも大きく左右され、平熱が35度台になってしまうと一気に機能がおとろえます。
具体的には、体温が1度下がれば、免疫力は30パーセントも低下するといわれています。
平熱が高い人のほうが健康だといわれるゆえんはそこにあり、だから、睡眠不足だったり、偏食だったり、同じ家族でも普段の生活習慣が異なれば、免疫力の差が開いてしまうのです。
免疫の働きを最高の状態に保つためには、免疫細胞の質と量によって保たれる「バランス」がとても重要です。
そもそも免疫細胞の数自体が少なければ、身体に侵入してきたウイルスなどの外敵と闘える兵隊が少ないわけですから、当然、抵抗力は弱くなってしまいます。
また、敵と闘う武器が棍棒やナイフなのか、それとも銃やミサイルなのかによって、その部隊の戦闘能力に差が出るように、免疫細胞の機能自体が高いか低いかで全体の免疫力に大きな差が生まれます。
重要なのは、このふたつの条件がバランスよく揃っていることなのです。
歩兵の数ばかり多くても、有効な武器を持った第二部隊が少なかったら効果的に外敵と闘うことはできませんし、逆に乱れた生活習慣によって第一部隊の機能が低下しても満足に闘うことはできません。
第二部隊の連携が悪ければ、アレルギーを発症してしまうこともあります。
同じ家族でも風邪を引いてしまう人は、慢性的に免疫細胞に問題があり、結果として免疫システムの低下を招いている可能性があります。
もし、みなさんのご家族のなかに免疫力が低い方がいるようでしたら、まずは生活習慣を見直すことで免疫システムの機能低下を抑えましょう。
風邪を引きやすいのは細菌やウイルスの侵入を簡単に許している証拠です。
つまり自然免疫が本来の機能を果たせていないということです。
だからまず自然免疫の状態を改善するために生活習慣を見直し、自然免疫のバランスを整えることで免疫力を「回復」してほしいと思います。
「免疫力をあなどるな! より」
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各栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに作用し合って初めて「栄養」として働きます。
多種類の栄養素が機能を発揮し、効率よく利用されるしくみがヒトの体には整っています。
たとえば、糖質がエネルギーに変わるにはビタミンB群などが必要で、ビタミンB群が活性化するには各種のアミノ酸やミネラルが必要、…というように、栄養素を利用するにはほかの栄養素の働きが不可欠です。
よく、ヒトは1人では生きられないといいますが、栄養素もひとつだけでは機能しません。
それぞれの栄養素のよい点を最大限に引き出すためには、多種類の栄養素をバランスよく摂取することが非常に重要です。
そのためには、食品を組み合わせて食べることが一番の早道。
ひとつの食品には多くの栄養素が含まれるので、組み合わせる食品の数を増やせば増やすほど、一度に多種類の栄養素をとることができます。
食事のバランスは効率のよい栄養素の摂取に直結しているのです。
ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。
8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出す働きに関わっているため、一緒にバランスよく摂ることがとても重要なのです。
また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わっています。
B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。
ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン・活性酸素)が増えるといわれています。
ビタミンB12は水溶性と脂溶性という特徴を併せ持つため体の隅々にまでいきわたりさまざまな働きをします。
細胞の生成にとって重要な核酸(DNA)・たんぱく質の合成や末梢神経(手足)、 中枢神経(頭)、認知機能に関わりがあるため、健康維持に無くてはならない栄養素なのです。
細胞が入れ替わることにより若さにもつながると考えられます。
ビタミンB12は主に動物性食品にしか含まれないというビタミンなので、野菜中心の食生活の人や、ダイエットをしているなど食事の量が少ない人は、ビタミンB12を補った方が良いとされています。
加齢、胃の病気、ストレスなどでも不足します。
ビタミンB12について?
https://www.endokoro.com/libra/vitamin01.html
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