第2章 「自由な人」は老化しにくく、「まじめな人」は老化しやすい

第2章 「自由な人」は老化しにくく、「まじめな人」は老化しやすい

 

スーパーエイジャーの人たちに共通する法則はほかにもあります。

それは自由で、好きなことをしているということです。

たとえば食べ物は、好きなものを食べている人が多い。

ほかのことでも、自分に「制約」をかけず、好きなことをしている人が多いのです。

 

「これをしたらいけない」「ここは我慢しないといけない」、そういう制約を自分にかけていない人のほうが長生きしやすい傾向がある人です。

 

なぜなら、私たちの脳は制約をかけると状態が下がってしまい、やる気のホルモンであるドーパミンが出にくくなってしまうからです。

 

 

逆にいえば、次のような人たちは自分に制約をかけやすいので、気をつけたほうがいいと思います。

 

 

  • まじめ過ぎる
  • ガンコ
  • 自分にきびしい
  • 新しいことを始めない

 

 

自分への制約は、脳には悪いことばかりです。

実際にスーパーエイジャーの人たちを見ても、好きなものを食べたり、高齢になってから新しいことを始めたり、適度にお酒なども楽しむ人が多いことに気付きます。

アメリカで最高齢だったサラ・ナウス(没年119歳)は、嫌いな野菜は食べなかったそうです。

イギリスの最高年齢記録をもつ元軍人のヘンリー・アリンガム(没年113歳)は、タバコとウイスキー、女性とユーモアが好きだったそうです。

ストレスは脳の老化を早めることがさまざまな研究でわかっているので、できる限り脳にストレスを与えないようなことを選択できたほうがよいのです。

日本人2万人を調査して研究でも、人は自分で決定できる自由な環境にいるとき、健康や人間関係について最も幸福度が高まることがわかっています。

 

 

また、好きなことをしていると、さまざまな刺激があることも脳にとってプラスです。

 

たとえば、好きなものを食べているときの「おいしい!」という感情は、味覚への刺激だけでなく、嗅覚、視覚などさまざまな刺激になります。

 

「この年になったら、これは食べないほうがいい」などと自らを制約するのではなく、「好きなものは自分の体が欲しているもの」くらいの感覚で、自由に「好き」を優先して暮らすことが脳の若さを保つコツです(ただし、他の病気などで制限がある場合はそのことも考慮してください。)

 

※スーパーエイジャー

80代、90代でも健康上の制限を受けず、活動的な生活を送っている人も大勢います。

こういう人を「スーパーエイジャー」と呼びます。

スーパーエイジャーとは、「80歳以上になっても体も心も健康で、認知機能が衰えず好奇心旺盛で、新しいことに挑戦し続けて人生を謳歌している人=つまり脳と体が老化していない人」と、ここでは定義しています。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/