第2章 「仲がいい人」が一人いるだけで認知機能も幸福度も上がる

第2章 「仲がいい人」が一人いるだけで認知機能も幸福度も上がる

 

日本は世界でも幸福度が高くない国です。

1位のフィンランドから8位のノルウェーまで、上位8ヵ国はヨーロッパの国が独占しています。

 

一方で、日本は54位でした。

 

幸せになりたい!

そう思っているはずなのに、なぜ日本人は幸福を感じにくいのでしょうか?

 

ハーバード大学の研究で面白いデータがあります。

「人間関係での満足度が高いと幸福度が高くなる」というのです。

夫婦、子ども、友人、相手は誰でもいいのですが、自分が仲がいいと思える人がいるだけで、人は幸せを実感できるのです。

 

夫婦であっても仲があまりよくない、お互いに関心が薄い、そんな関係もよく聞きますし、子どもとの関係は悪くなくても「仲がいい」とまで言える関係かと言われるとどうでしょうか。

 

友人関係も、知り合いは多くても「仲がいい」と言える友人はどうでしょうか。

 

そう考えると、仲がいいというのは、簡単そうで、簡単ではない関係なのかもしれません。

 

 

人間は社会的動物なので、一人で生きるよりも周りの人たちとつながりを感じて生きている方が幸福度が高くなるようにできています

脳内ではつながりを感じた瞬間にオキシトシンが出て、脳を活性化し、認知機能を高める効果もあります。

 

逆に、高齢期に感じる孤独感情は認知症の発症リスクを高めます。

孤独感と認知症発症の可能性は比例しています。

 

たとえば、夫婦であれば、パートナーに先立たれた人が、強い孤独感で認知症を発症するという話をよく聞きます。

また、異常に老けてしまう人もいるようです。

孤独感は脳の大敵です。

 

 

誰かとつながりを持つことは、脳の視床下部からオキシトシンを出す以外にも脳を活性化する作用があります。

脳の前頭前野を活発に利用するので、脳の老化がさらに減少する可能性があり、老人脳を改善してくれます。

特に人の目を見て話すと前頭前野がより活性化することが東北大学の研究で知られています。

 

スーパーエイジャーの人は「肯定的な社会関係」のレベルが高いことがわかっています。

つながりが生む効果ですね。

 

一方で、苦手な人や嫌いな人とのつながりは脳のストレスになります。

「否定的な社会関係」は脳にいい影響を及ぼしません。

プラスになるのは肯定的な社会関係です。

 

※スーパーエイジャー

80代、90代でも健康上の制限を受けず、活動的な生活を送っている人も大勢います。

こういう人を「スーパーエイジャー」と呼びます。

スーパーエイジャーとは、「80歳以上になっても体も心も健康で、認知機能が衰えず好奇心旺盛で、新しいことに挑戦し続けて人生を謳歌している人=つまり脳と体が老化していない人」と、ここでは定義しています。

 

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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認知症の多くは、脳血管障害の積み重ねで起こり、その原因のほとんどが脳梗塞です。

ですから、脳梗塞の前兆である隠れ脳梗塞を早期発見することで多くの認知症を防ぐことができるのです。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。

このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

 

ビタミンB12や葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることがわかっています。

ホモシステインはLDLと一緒になり血管壁にコレステロールを沈着させます。

また活性酸素と一緒になり、脂肪やLDLの過酸化、血管内皮細胞や血管の平滑筋の異常を引き起こします。

その結果、動脈硬化心筋梗塞脳梗塞になるのです。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

老人の認知症の3割~5割を占めるアルツハイマー病の場合は、脳細胞が萎縮する病気です。

この萎縮を食い止めるためには、脳細胞を生成するためのタンパク合成、核酸(DNA)合成が順調に行われる必要があるのです。

ビタミンB12は、脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

アルツハイマー認知症の方々の脳脊髄中にはビタミンB12が少ないことが確認されています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/