第6章 老人脳にならない生活習慣 何もしていない時間に、実は脳は活性化している

第6章 老人脳にならない生活習慣

何もしていない時間に、実は脳は活性化している

 

「毎日たくさんの予定を入れて、忙しくする。充実感もあるし脳にもいいので、いくつになってもその生活をキープしていきたい」

 

もしあなたがそう思っていたら、少し待ってください。

この考え方、脳にとってよくない部分もあります。

 

 

スーパーエイジャーの生活習慣で多くの人に共通していることのひとつに「リラックスする時間がある」ことが挙げられます

 

「ボーッとしている時間があると脳は働かなくなるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はそれは半分正解で、半分間違いです。

 

ここでいうリラックス時間とは、好きなことをする、お酒を楽しむ、仕事とは関係ない趣味をする、ボーッと空を見たり、風呂につかったり、好きな音楽にひたったり、カフェでゆっくり本や新聞を読むなどの時間で、大切なのは「心がゆったりしていて、難しいことを考えていない状態」を指します。

 

要は、「休息していると自分が認識している時間」ですね。

こういう時間をしっかりとることがなぜ必要か、そこには明確な理由があります。

 

それは、ストレスが脳にダメージを与えるからです。

ストレスレベルが高いと、認知症のリスクが上がることが、最新の研究で結論づけられました。

 

リラックスできる時間は、脳のストレスを下げる効果があります。

たとえば体の調子が悪いとき、面白いテレビや動画を見たり、音楽を聴いたりすると、気分が楽になって調子がよくなったように感じた経験はないでしょうか?

専門用語では「打ち消し効果」と言って、私たちはマイナスな状態になったとしても、プラスのものに触れることで、ストレスが相殺されるのです。

 

リラックスする時間の中で、何もしていない時間に、実は脳が最も活性化していることがわかっています。

これを「デフォルトモードネットワーク」と言います。

 

デフォルトモードネットワークは英語で「何もしないこと・怠慢」などの意味です。

何もしない状態(モード)の脳がネットワークが一番活性化しているという意味の用語です。

 

何もしていないときは、脳も何もしていない状態と思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。

 

むしろ逆で、運動をしているときよりも、計算しているときよりも、活性化しています。

しかも特定の部分だけでなく、脳全体が活性化しているのです。

 

たとえば、入浴してボーッとしたり、カフェで何もせず時の流れに身を任せているとき

その瞬間、脳はこれまでの情報を統合しています

要はごちゃごちゃした状態を整理しているのです

 

インプットした情報を整理し、自分のものにしていくためには、休息の時間も必要なのです。

 

睡眠中に脳はすごい働きをしているという話を聞いたことがありませんか?

これも同じことです。

睡眠不足は脳にとっても大敵ですし、若い頃にテストの一夜漬けをしても全く身についていなかったというのも、同じ原理です。

 

いくら忙しくても、リラックスする時間、休む時間を設けることは脳に必要なことなのです。

その時間をつくることで、認知機能が上がります。

 

 

ただ、ここはバランスが必要です

 

ずっとリラックスしたまま、休息したままだとインプットされるものがないので、デフォルトモードネットワークは起きません。

認知機能も上がりません。

 

ですから、毎日やることをちゃんと作り、その間にリラックス時間をつくる。

そのバランスが大切なのです。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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老化は生きている以上避けられないものですが、生活習慣・食生活に少し気をつけるだけでも進行程度が変わってきます。

30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。

健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。

 

動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。

脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。

一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。

「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。

脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。

 

ビタミンB12と葉酸、ビタミンB6の吸収が悪くなると動脈硬化の原因物質 (ホモシステイン活性酸素)が増えるといわれています。

また、ビタミンB12は古くから、神経系の機能回復に効果があることが知られていましたが、最近の研究で、このビタミンB12の不足によって脳細胞の萎縮が進むことがわかってきました。

ビタミンB12は、脳の萎縮を食い止めるために重要な脳細胞のタンパクと核酸(DNA)の生合成を司っています。

新しい核酸、タンパク質が生まれ、それによって細胞も新しく生まれ変わり、「こわれた組織、細胞」と「新生の組織、細胞」が入れ替わります。

その結果若さにもつながると考えられます。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/