第2章 いくつになっても脳の神経ネットワークが増える方法がある

第2章 いくつになっても脳の神経ネットワークが増える方法がある

 

「最近、何をするにも億劫でもやる気がしない」

 

こういう感情が強くなっていたら、すでに老人脳が進んでいます。

やる気脳が老化していると言えるかもしれません。

しかし、こんなとき、ドーパミンを分泌させるよい方法があります。

それは、やろうと思っていることを20秒だけやってみることです。

脳には作業興奮という性質があって、やり始めるとそのままやってしまうという性質があります(たとえば、掃除をやろうと思うと面倒ですが、「20秒だけやってみよう」と思うと、結局しばらく掃除をしてしまうのです)。

 

 

私たちは大きなことをしようと思うと、なかなか動けませんが、小さなことだとやってみようと思うのです。

スーパーエイジャーもそうです。

大きなことをしているように見えますが、意外と小さなことから始めることが多かったりします。

歩くことから始めたら、楽しくなってきてマラソンにチャレンジしてみたり、シンプルな生活が好きで日々の写真をアップしたら、インスタグラマーになってしまったり、些細なことから始めていることがわかっています。

 

 

また、新しいことに挑戦するのも脳を活性化させることがわかっています。

 

新しいことにチャレンジするのは脳の機能維持に効果があります

脳の神経ネットワークが新しいことにチャレンジすると増えるからです。

 

人間の脳は加齢とともにだんだんと細胞が少なくなっていき、神経ネットワークも減っていくイメージがあるかもしれませんが、半分正解で半分は間違いです。

脳の細胞の数は確かに減っていきますが、ネットワークは加齢とともに減るわけではありません

むしろ経験とともに増えていきます。

 

神経ネットワークとは膨大な数の神経細胞のつながりのことで、このネットワークが記憶や学習、運動、さらには生きるために必要な数々の知識など、脳のさまざまな活動を支えています。

 

たとえば、何か新しいことを始めると、神経と神経をつなぐネットワークが新しく生まれます。

この能力は高齢者でも起きることがわかっています。

神経のネットワークの数は年齢に関係なく増やすことができます。

 

ただ、新しいことをしないと刺激が入ってこないため、ネットワークが形成されません。

 

いくつになっても脳が老化しないスーパーエイジャーは、脳神経ネットワークの数が多いことがわかっています。

スーパーエイジャーは新しいことに挑戦している人ばかりですから納得です。

 

 

国立長寿医療研究センターの西田裕紀子副部長の大規模調査でわかったことがあります。

 

40歳から81歳の男女1591人に対してテストした6年間の研究により、「新しいことが好きな人」は、歳をとっても脳の認知機能がほとんど落ちていないという結果が出たのです。

 

新しいことにチャレンジしない人は、もともと認知機能が低い人が多く、それが6年後にさらに低くなってしまいます。

しかし、「新しいことにチャレンジするのが好きな人」は、なんと6年たっても脳の認知機能がほぼ落ちていなかったのです。

また知的好奇心が高いほど、記憶の定着率がよくなることもわかっています。

 

※スーパーエイジャー

80代、90代でも健康上の制限を受けず、活動的な生活を送っている人も大勢います。

こういう人を「スーパーエイジャー」と呼びます。

スーパーエイジャーとは、「80歳以上になっても体も心も健康で、認知機能が衰えず好奇心旺盛で、新しいことに挑戦し続けて人生を謳歌している人=つまり脳と体が老化していない人」と、ここでは定義しています。

「80歳でも脳が老化しない人がやっていること より」

 

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脳の中では、運動会のリレーのように、神経がバトンをつないで、指令を伝達していきます。

しかし、たとえばC地点の神経細胞が倒れてしまい、指令がそこで止まってしまう、という事態が起こります。

このとき、すぐにC地点の神経細胞を救出できれば復活したのですが、時間が経ち、死んでしまって、その指令も届かなくなる。

これが運動麻痺や言語障害の起こる理由です。

 

ところが、脳のすごいところは、C地点から今度はほかのルートでバトンを渡そうとするのです。

新たなルートで、新たなリレーのチームを作り、「言葉を話す」という指令を伝えようとします。

この新チームは、以前のチームのようにバトンの受け渡しがうまくなく、スムーズに指令が届きません。

しかし、何度も繰り返し練習するうちに、だんだんうまく指令が伝わるようになっていきます。

このようにして、死んでしまった神経細胞は復元しないけれど、ほかのルートで代用できれば、言葉がある程度話せるようになり、失語症もよくなっていくというわけです。

 

ニューロン同士が情報伝達を行うこと、つまり神経機能的連絡を行うためには、新経路の交差点ともいうべきものが必要であり、この交差点をシナプスと言います。

このシナプスは、歳をとっても増加し、より成熟した結合が進行するとされています。

高度の創造過程にも高密度のシナプス形成が必要と思われ、そのためには、それに必要な素材として神経系構成成分、つまり栄養成分が必要なことは当然で、また、その構築作業のための酵素、そしてそれを補佐する補酵素的ビタミンも必要となります。

その中でも重要なものがビタミンB12なのです。

脳科学の発達によって、さまざまなことがわかり、新たな試みがされています。

 

ビタミンB12について?

https://www.endokoro.com/