第11章 自律神経を整え、人生を豊かにする行動習慣
生きている意味を考えてみる
テーマは「人生を豊かにする」です。
長く自律神経の研究を続けながら、さまざまな講演をしたり、取材を受けたりしてきました。
その体験は、私にさまざまなことを考える機会をくれました。
もちろん多くは自律神経に関わることですが、突き詰めれば突き詰めるほど、その本質は宗教的であったり、哲学や思想の領域に踏み込んでいくこともめずらしくありません。
それも決して不思議なことではなく、昔から宗教によって人は心の平安や安静を得てきましたし、哲学や思想によって自分なりの考えをブラッシュアップしたり、「生きる軸」をつくったりしてきました。
それらはすべて自律神経と密接につながっています。
ここでは、たとえば「生きているうちは『毎日が修行』」という項目で、私たちが生きている意味についても考えます。
困難が降りかかったとき、それに向き合う人もいれば、すぐに逃げ出してしまう人もいるでしょう。
私は医師であり、社会の善悪を裁く立場にはありませんから、そのどちらの人も自律神経を整え、コンディションよく生きてほしいと願っています。
あるいは、豊かな人生を送るために「おはよう」と「ありがとう」を気持ちよくいう。
そんな題材も取り上げていきます。
「なんだ、そんなことか」と思う人もいるかもしれません。
しかし「おはよう」と「ありがとう」を日々気持ちよくいえる人生なんて。それこそ豊かだと思いませんか。
そのほか「人との関わり」について「余計な敵をつくらない話」などバラエティに富んだテーマを展開します。
あなたの人生を豊かにするヒントがひとつでも見つかることを願っています。
「はじめる習慣 より」
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人の体の老化は20代ごろから始まります。
老化は生きている以上避けられないものですが、何をどう食べるかで進行程度が変わってきます。
30代では個人差はさほどありませんが、40歳を過ぎて中年期に入るころからだんだん差が生じ、65歳を過ぎて高年期に入ると、健康状態にはっきりとした差が出ます。
健康寿命をのばす食生活に加えて、年代別の食べ物・食べ方に気をつけると、病気予防がいっそうアップします。
動脈硬化は年齢とともに発症しやすくなり、50代になるとほとんどの人(女性は60代から)に動脈硬化が見られるようになります。
脳梗塞は、高血圧や糖尿病などの病気が原因となったり、生活習慣などによって血液がドロドロになって血液循環が悪くなったりして、血管が厚く狭くなり、脳の血管が徐々に詰まって進行していきます。
一般的に、脳梗塞の初期には、大きさ数ミリ程度の微小な梗塞が数個出現し、段階をへるごとにこの梗塞が脳のあちこちに見られます。
このような症状のないごく小さな梗塞が隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)です。
「隠れ脳梗塞(無症候性脳梗塞)は、早い人だと30代からあらわれ、40代を過ぎると急に増加するといわれています。
脳梗塞をはじめとする脳血管障害を生活習慣病の一つととらえ、ふだんから健康に保つ生活を心がけましょう。
血管は「酸化」していくことで傷ついていきます。
たとえば、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が動脈硬化の原因になるということを聞いたことがあるかもしれません。
LDLコレステロール(以下LDL)が血管にへばりついて、プラークと呼ばれるこぶを血管の壁に形成していくのです。
ビタミンB12やB6、葉酸の吸収が悪くなると、ホモシステインという老化物質が増え、動脈硬化を生じることもわかっています。
ビタミンB12について?