脳卒中を過去の病気だと思っていませんか?

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脳卒中を過去の病気だと思っていませんか?
脳梗塞は増えています。

脳卒中」という古臭い名前のせいか、脳卒中を、もう克服された過去の病気のように思っている人がいるようです。1980年までは日本人の死亡原因の第1位は脳卒中でしたが、その後、がん、心臓病に抜かれました。このことも、「恐るるに足らず」という雰囲気を作った要因だったかもしれません。

しかし実際は、脳卒中の有病率、つまり治療を受けている患者さんの割合は減ってはいません。横ばいといったところです。

もう少し詳しく見てみると、脳内出血による死亡者数は減少しています。昔は、冬、トイレで倒れたなどという話をよく聞いたものですが、血圧管理の進歩や住宅事情・食生活の改善などで脳内出血による死亡は確かに減っています。
1960年には、脳卒中死の約4分の3は脳内出血によるもので、脳梗塞による死は、13.3%にすぎませんでした。
ところが1998年に統計を取ってみるとこれが逆転し、脳卒中死のうち62.3%は脳梗塞によるもの、脳内出血によるものは約4分の1に減っています。

脳卒中については、一気に死に至るような重症のものは減っていると言われています。
死ぬ人は減っているが、患者数は減っていない-つまり、寝たきりになる原因でいちばん多いのが脳卒中なのです。

また、小さい脳梗塞については、明らかに増加しているとする医師が大半です。
これは検査技術が向上し、これまで発見できなかった小さな病変まで見つかるようになったわけですから、ある意味では当然です。
その結果、予測できない大きな発作がドーンと来て、亡くなったり半身麻痺になったりするという脳梗塞の従来のイメージが、変わりつつあります。
調べてみると本格的な発作の前に、小さい発作を繰り返していることがわかったり、本人も気がつかない脳梗塞の跡が見つかったりするのです。
一説によれば40代で3人に1人、50代で2人に1人、60代で8割以上の人に、小さな脳梗塞の跡が見つかると言います。

こうしたことから、脳梗塞の多くは長い年月をかけて進行する血管の病気、年をとれば誰にでも起こる老化現象のひとつの現れとしてとらえられるようになってきました。
「健康講座 脳梗塞より」

脳梗塞・隠れ脳梗塞・多発性脳梗塞の予防・対策
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